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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年04月16日

たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川 です。
今回は、「大腸ポリープの「陥凹型」はなぜ危険?陥凹型大腸がん予防の重要性」についてです。
陥凹型というのは一般では耳にしませんが、内視鏡医の間では頻繁に使われます。
真ん中の漢字の通り、へこんでいる病変をそう呼びます。
日本における大腸がんの現状:
女性の死亡原因1位はすでに大腸がんです。
大腸がんは、日本で最も患者数が多いがんです。最新の統計では、年間罹患数は約15万人、死亡数は約5万人となっています
食生活の欧米化や高齢化に伴い、今後も増加が懸念されています。
大腸がんは「早期発見できれば治癒が期待できる」がんでもあります。
そのためには、病変の種類を知り、適切な検査を受けることが不可欠です。
「陥凹型(かんおうがた)」大腸ポリープとは?:
大腸ポリープと聞くと、キノコのように盛り上がった形を想像する方が多いかもしれません。しかし、専門医が最も注意を払うのが、表面がへこんだ形をした「陥凹型(かんおうがた)」と呼ばれるタイプです。
①発見が難しい:凹んでいるといっても、最初の段階ではほぼ平坦で周囲の正常粘膜とほぼ同様の色調のため内視鏡検査でも高度な観察技術を要します。
②進行が非常に早い:他の形のポリープに比べ、がん化するスピードや深部へ広がるスピードが速いのが特徴です。
③小さくても危険:「深さ方向」に進行する性質があります。
通常のポリープは時間をかけてゆっくりと横に大きく成長しますが、陥凹型は「小さいうちから粘膜の下(粘膜下層)へと深く入り込む」という非常に厄介な性質を持っています。
「まだ小さいから大丈夫」という理屈が通用せず、発見時にはすでに進行がんの一歩手前、あるいはすでに浸潤しているケースも少なくありません。
④早期発見なら「内視鏡治療」で根治が可能
理想的なのは、がんが粘膜下層の浅い部分までにとどまっている段階で発見し、内視鏡的切除(ESDやEMR)を行うことです。
この段階であれば、お腹を切らずに済むため体への負担も少なく、完治が期待できます。
しかし、陥凹型は発見が難しいため、どうしても見つかったときには内視鏡での治療が難しく、外科的手術が必要になる場合もあります。
@陥凹型の早期大腸がん

@陥凹型ではない大腸ポリープ。これだけ大きくても良性のポリープです。

外科手術の進歩:
腹腔鏡手術による低侵襲治療
もし手術が必要になった場合でも、現代の外科治療は大きく進歩しています。現在は腹腔鏡(ふくくうきょう)手術などの低侵襲(ていしんしゅう)な手法が普及しており、傷口が小さく、術後の回復も以前より早くなっています。
早期がんの段階で適切な治療を受ければ、リンパ節転移の可能性も低く、完治を十分に目指すことが可能です。
まとめ:
40歳を過ぎたら定期的な「大腸内視鏡検査」
大腸がん、特に見つけにくい「陥凹型」から身を守る唯一の方法は、精度の高い内視鏡検査を定期的に受けることです。
上記に当てはまる方は、一度検査を受けることをおすすめします。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。