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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年08月12日

胃がんは見つけにくい ― 早期発見のために胃カメラが大切な理由
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
「胃がんは検診を受けていれば簡単に見つかる」と思っていませんか?
実は、胃がんの中には非常に見つけにくいものがあります。
特に早期胃がんは、進行した胃がんのように大きな「できもの」になっているとは限りません。
わずかな凹凸や色の違いとしてしか見えないこともあり、早期発見には丁寧な観察が必要です。
・胃がんができやすい胃は「凸凹」しています‼
胃がんの多くは、ピロリ菌の感染と深い関係があります。
ピロリ菌に長期間感染していると、胃の粘膜に慢性的な炎症が起こり、
徐々に「萎縮性胃炎」と呼ばれる状態になります。
萎縮性胃炎が進んだ胃は、健康な胃のように均一できれいな粘膜ではありません。
粘膜に赤みや白っぽい部分、凹凸などが混在していることがあります。
@萎縮性胃炎 胃内がでこぼこしています

問題なのは、このような「もともと凸凹した胃」の中に胃がんができるということです。
早期胃がんは必ずしも大きく盛り上がるわけではなく、わずかにへこんでいたり、少し赤く見えたり、
周囲と微妙に色が違うだけだったりします。
そのため、背景に萎縮性胃炎があると、胃がんが周囲の粘膜に紛れてしまうことがあります。
・胃のレントゲン検査では発見が難しい胃がんもある
胃がん検診として行われる検査のひとつに、
造影剤を飲んで撮影する胃部X線(レントゲン)検査があります。
胃全体の形や大きな変化を確認することはできますが、胃の粘膜を直接見る検査ではありません。
そのため、わずかな凹凸や微妙な色調変化しかない早期胃がんを見つけることには限界があります。
一方、胃カメラ(上部消化管内視鏡検査)は、胃の粘膜を直接、拡大された画像で観察できます。
「ここだけ少し赤い」「わずかにへこんでいる」「周囲と粘膜の模様が違う」といった小さな変化を確認し、
必要であれば組織を採取して詳しく調べることもできます。
早期胃がんの発見を目的とするのであれば、
当院では胃のレントゲン検査よりも胃カメラによる検査をおすすめしています。
・ピロリ菌が「いたことがある人」も注意が必要
「以前ピロリ菌を除菌したから、もう胃がんは大丈夫」と思っている方もいらっしゃいます。
しかし、ピロリ菌を除菌しても、それまでに生じた胃粘膜の萎縮が完全に元通りになるわけではありません。
除菌後も胃がんが発生する可能性は残ります。
そのため、ピロリ菌が現在いる方だけでなく、過去にピロリ菌がいて除菌治療を受けた方も、
定期的な胃カメラが重要です。
当院では、このような方には基本的に1年ごとの胃カメラをおすすめしています。
・ピロリ菌陰性でも胃がんができることがある
胃がんの大部分はピロリ菌感染と関連していますが、すべてではありません。
ピロリ菌に一度も感染していない、きれいな胃粘膜にも胃がんが発生することがあります。
このタイプの胃がんは頻度としては少ないものの、非常に小さく、
わずかな色調の変化としてしか認識できないことがあります。
こうした病変も、胃の形を見ることが中心となるレントゲン検査では発見が難しく、
胃カメラで胃粘膜を直接、丁寧に観察することが重要になります。
@ピロリ菌陰性 胃がん 早期発見

・早期発見できれば「お腹を切らない治療」を目指せる
胃がんは怖い病気ですが、早期に発見できれば治療の選択肢は大きく変わります。
一定の条件を満たす早期胃がんであれば、お腹を切って胃を切除する外科手術ではなく、胃カメラを使って病変を切除する「ESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)」という治療が可能です。
体への負担を少なくし、胃を残したまま治療できる可能性があります。
そのために大切なのは、「症状が出てから検査する」のではなく、
「症状がないうちに定期的に検査する」ことです。
特にピロリ菌がいる方、過去にピロリ菌を除菌した方は、
胃がんの早期発見を目指して1年ごとの胃カメラを受けることをおすすめします。
・見つけにくい胃がんだからこそ、胃の中を直接見る
定期的な胃カメラで小さな変化を見逃さず、できるだけ早い段階で胃がんを発見することが、
体への負担が少ない治療につながります。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。