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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2026年08月30日
こんにちは。副院長の東です。
暑かった8月も終わりを迎えようとしています。
残暑厳しいですが、夕方にはゲリラ豪雨が起こり、もはや熱帯雨林気候です。
過ごしやすい秋に向けて準備していきましょう!
逆流性食道炎に対する薬物療法の歴史

逆流性食道炎に関しては、常日頃から食事療法、理学療法と薬物療法をお話しています。
https://www.tamapla-ichounaika.com/blog/fukuinchou/post-44207/
僕は、薬物療法に関して一番初めにお話しすることはしないようにしています。
なぜならば、逆流性食道炎の根本は、胃酸過多にありその結果胃酸逆流を起こすことが多いためです。
胃酸過多を起している原因が何か、そこを突き止めない限り根本的には逆流性食道炎は治りません。
逆流性食道炎=薬物療法となってしまっては、あくまで対症療法であり一時的に良くなってもまたすぐに悪くなってしまうのです。
そのため、食事療法、理学療法の重要性を皆様に理解していただけるように努めています。
さて、それでも薬物療法は必要な治療方法の一つです。
胃酸過多、胃酸逆流からおこる逆流性食道炎の薬物療法と言えば・・・。
そうです、胃酸分泌抑制薬が中心となります。
https://www.tamapla-ichounaika.com/blog/fukuinchou/post-44683/
ここには、時代的な薬物療法の進化があります。
1980年代後半から1990年代前半は、H2受容体拮抗薬(H2RA)が中心でした。
ガスター(ファモチジン)、ザンタック(ラニチジン)、タガメット(シメチジン)があり、
その後、胃粘膜保護作用も加わったプロテカジン(ラフチジン)が発売しました。
1990年代後半になり、今でも主流の薬剤であるプロトンポンプ阻害薬(PPI)が登場します。
オメプラール(オメプラゾール)、タケプロン(ランソプラゾール)、パリエット(ラベプラゾール)が発売され、
H2RAよりも強力に胃酸分泌を抑えるPPIに置き換わりました。
そしてH2RAはOTC化され、ガスター10としてドラッグストアで発売されました。
従来の粘膜保護剤と比べて、胃痛・胸やけに即効性のあるガスター10は大ヒットしました。
PPIはここで大きな進化を遂げます。2011年、オメプラゾールを改良したネキシウム(エソメプラゾール)の登場です。
光学異性体の「S体」のみを抽出した薬剤で、代謝酵素のCYP2C19の影響を受けにくくした特徴を持ちます。
そのため、エスオメプラゾール→エソメプラゾールとネーミングされたと記憶しています。
実はPPIの中でも、先に発売した薬剤の中でラべプラゾールだけがCYP2C19 の影響を受けない構造なのです。
PPIが人によって効果が異なるのが言われていて、その原因と特定されたのがこのCYP2C19 でした。
ここで2015年、画期的な新薬タケキャブ(ボノプラザン)の登場です。
ボノプラザンはカリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)と呼ばれます。
現在の胃酸分泌抑制薬の中心的存在で、胃酸分泌を速やかで強力かつ持続的に抑制します。
ポイントは、内服後3時間で胃酸分泌抑制はピークになること、そして酸分泌抑制力が最強であることです。
ネキシウムは内服後2~3日かけてピークを迎えるのとは対照的です。
薬物療法の話はやはり尽きませんね。
次回、胃酸分泌抑制力の新たな評価についてお話します(僕も驚きでした)!
この記事を書いた人
東 瑞智
医師
北里大学医学部を卒業。北里大学病院消化器内科学講師として、消化器がんの内視鏡診断・治療、抗がん剤治療だけでなく、難治性逆流性食道炎、機能性ディスペプシア、過敏性腸症候群などの消化器良性疾患の治療に従事。2020年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。北里大学医学部消化器内科学非常勤講師。