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たまプラーザ南口胃腸内科クリニックブログ
Clinic Blog
2022年04月20日
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックの久津川です。
今回は、先日質問された便潜血検査についてのお話です。
患者さんは、7年前に当院で大腸内視鏡検査を受けられました。
5㎜の大腸ポリープが2個あり、日帰り内視鏡治療を行い、腺腫という良性ポリープでした。
その後、内視鏡検査での定期検査をお勧めしましたが受診されず、
「便潜血検査」が陽性となったため、7年ぶりに当院で大腸内視鏡検査を受けられました。
写真のようなポリープを認め、前回同様に日帰り内視鏡治療を行いました。
病理検査を行い、診断は「早期大腸がん(粘膜下層深部浸潤がん)」でした。
この病変は、早期大腸がんであり、「早期なら大丈夫でしょ‼」と思われる方も多いと思いますが、
実は違います。早期大腸がんでも粘膜下層の深くまでがんが入り込んでいると
「リンパ節転移の可能性あり」のため、大腸の切除と周囲のリンパ節転移の切除が必要となります。
患者さんにも、「切除はしましたが、リンパ節転移の可能性があるため、追加で腸の切除とリンパ節転移の切除が必要です」と説明しました。
ここで冒頭のタイトルに戻りますが、「なぜ、毎年便潜血検査をしていたのに手術を受けなくてはいけないのですか??」
と言われました。確かに「毎年検診してたのに!!!」と思うかもしれません。
ここでもう一度、便潜血検査の目的を考えましょう。
なるべく早く大腸がんを発見し、死亡率減少を目指すのが目的です。
この患者さんは「がんの発見が遅れたから、手術をしなくてはいけなくなった。」と考えるでしょうが、
逆に「便潜血検査をしていたから、手術で治る可能性が非常に高い早期がんで発見できた。」というのが
正解です。
この患者さんにも説明し、納得していただきました。
大腸ポリープ切除を受けられた場合は、1-3年程度の間隔で再検査をお勧めします。
当院でぜひ、大腸内視鏡検査をご検討ください。
この記事を書いた人
久津川 誠
医師
国立熊本大学医学部を卒業。 世界消化器内視鏡学会より国際的優良施設として認定されている昭和大学横浜市北部病院で、内視鏡検査に関する高精度な診断・治療、さらには痛みの少ない大腸内視鏡の挿入法などを研究。 2015年より、たまプラーザ南口胃腸内科クリニック勤務。