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ピロリ菌を除菌した後は胃がんにならないって本当?除菌後の胃がんリスクを解説

  • 胃内視鏡検査

「ピロリ菌を除菌したらもう胃がんにはならない」

ネット情報などの勘違いからそのように思っている方がたくさんいます。しかしそれは大きな間違いです。除菌後も胃がんになる可能性はあります。そこで今回は「ピロリ菌除菌後の胃がんリスク」を詳しく解説します。

1. 胃がんとは?

胃は、食道と小腸の間にある袋状の臓器で、食道から送られてきた食物を胃液と混ぜ合わせて消化し、十二指腸に送る役割を果たしています。胃の壁は内側から、粘膜、粘膜筋板、粘膜下層、固有筋層、漿膜下層、漿膜でできています。

胃がんは食道がんや大腸がんと同じく、ほとんどが粘膜から発生します。しかし、食道がんとは異なりほとんどが腺がんと呼ばれるタイプです。胃の下側およそ3分の2の部位に発生することが多く、約8割を占めます。

粘膜に発生したがんは、徐々に粘膜下層に広がっていき、この粘膜下層までのがんを「早期胃がん」、粘膜下層を越えて広がったがんを「進行胃がん」といいます。さらに進むと。漿膜を突き破って周辺臓器に浸潤します。

早期胃がんのステージIの段階で見つかり治療を行えば、9割以上が治るといわれています。

胃がんの危険因子には、加齢、塩分の摂り過ぎ、喫煙などがありますが、それにも増して重要なのがピロリ菌の感染です。

2. そもそもピロリ菌とは?

ピロリ菌とは、大きさが1,000分の4mmとごく小さならせん状の細菌で、正式名称はヘリコバクター・ピロリといいます。ピロリ菌は幼少期に口から感染し、胃の粘膜にすみついて慢性的な炎症を引き起こします。

加齢とともに徐々に胃炎が進行していき、多くは胃の粘膜が萎縮する萎縮性胃炎という状態になります。ピロリ菌が感染して炎症を起こした胃粘膜から胃がんが発生することがほとんどであり、萎縮性胃炎が進行すると胃がん発生の危険性がより高まります。

ピロリ菌の除菌には、抗生物質と胃薬を1週間内服する必要があります。除菌が成功しピロリ菌がいなくなることで胃の炎症が軽快して、胃がんの発生を抑制できることが明らかにされています。

そのため2013年からは保険診療で除菌できるようになりました。現在国内のピロリ菌感染者は約3,500万人と推察されていますが、除菌件数は年間約150万件といわれています。

3. ピロリ菌除菌後について

除菌の薬を1週間しっかり飲んで無事にピロリ菌除菌に成功すれば、もう胃がんの心配はないと安心したくなるところですが、そんなことはありません。

 3-1. ピロリ菌除菌後の判定はいつ行うのか

除菌が成功したか失敗したかを判定する検査は、除菌治療後少なくとも4週間以上経過しなければ行えません。除菌判定の偽陰性を防ぐためです。この1回の除菌治療で約8割の方は除菌に成功すると報告されています。

しかしなかには一度で除菌できない場合もあるので、除菌薬服用後、しっかりと除菌できているかの判定検査を行うことが重要です。除菌に失敗した場合は二次除菌を行いピロリ菌をしっかり除菌しましょう。

二次除菌まで行えば、ほとんどの方が除菌可能です。

3-2. ピロリ菌に再度感染することはあるのか

感染することはありますが、非常に稀です。

除菌後の再出現には2つのパターンがあります。除菌判定の偽陰性による「再燃」と除菌成功後の「再感染」です。

「再燃」は除菌しきれずまだ生き残っていた菌がまた増えるイメージ、「再感染」は新しいピロリ菌が新たに増えるイメージです。臨床で「再燃」か「再感染」かを厳密に鑑別することはほぼ不可能ですが、一般的に除菌治療後1年未満の再出現は「再燃」と考えられています。再出現率は長期になるほうが低くなります。

除菌後1年以下の出現率は0〜10%、除菌後長期では0〜3%程度とされています。再出現に関する報告はさまざまで、一般的に先進国では低く、発展途上国では高いと報告されています。また、成人よりも小児で再出現の頻度が高くなるという報告もあります。

4. 除菌後のフォローアップ

除菌に成功したからといって、胃がんなどの病気にならないわけではありません。ピロリ菌に感染している期間が長いと、胃の粘膜が正常に戻るのに時間がかかるからです。

除菌後も定期的に胃カメラを受け、胃の状態を確認しましょう。

除菌後のフォローアップについては3つのポイントに注意してください。

4-1. 除菌後の胃がん

除菌に成功しても胃がんのリスクは残存しているため、とくに胃体部萎縮の強い症例(胃潰瘍、早期胃がん、胃腺腫の内視鏡治療後)は除菌後の胃がん発生に注意して年に1回の定期的な胃カメラを行う必要があります。

4-2. 除菌後の潰瘍再発

除菌により胃・十二指腸潰瘍の再発率は抑制されますが、とくに非ステロイド抗炎症薬(NSAIDs)の服用が潰瘍再発のリスクとなることがあります。

除菌後も自覚症状に注意して年に1回の胃カメラを受けましょう。

4-3. 除菌後の逆流性食道炎

除菌後に逆流性食道炎をきたす症例があります。その多くは軽症ですが、高齢者で高度の萎縮性胃炎と食道裂孔ヘルニアを合併した症例では、ときに重症の逆流性食道炎をきたすこともあるので注意が必要です。

胸やけや胃酸逆流などの症状がある場合は、消化器内科を受診しましょう。

5. 除菌後の胃がんリスク

除菌で胃がんのリスクが下がることは確かですが、ゼロにはなりません。

ピロリ菌感染歴のある方は未感染者の150倍程、胃がんになる可能性があります。

また、ピロリ菌除菌後の胃がんリスクは3分の1まで低下しますが、未感染者より50倍ほど胃がんになりやすいといわれています。除菌を行うと、その後の萎縮性変化の進展は抑制できますが、除菌までの萎縮によって蓄積された胃がん発生リスクは残るといわれています。

萎縮が軽度の方の発生率は0.04%、中等度萎縮は0.21%、高度萎縮は0.61%と、除菌時に胃の粘膜の萎縮が強いほど、その後のがん発生率は高くなります。

5-1. 除菌後に発見される胃がんとは?

除菌後に発見される胃がんの中には、発見が遅れても成長が緩徐で粘膜内に留まっている病変もあります。しかし、比較的急速に浸潤して内視鏡的に治療困難な段階で発見されるケースもあります。

これまで報告されている症例の多くは除菌後5年以内に発見されたものです。

新規発生のがんの場合は、細胞レベルの胃がん発生から5mm大程度になるまでに4〜17年ほどかかるといわれているため、5年以内に発見されたがんは、「除菌時にすでに潜在していたか見逃されていたがんではないか」といわれています。

6. ピロリ菌除菌後も定期的に胃カメラが必要な理由

ピロリ菌除菌後でも定期的に胃カメラを行うことで、胃がんの早期発見につながります。その理由を詳しく解説します。

6-1. がんの成長スピード

ピロリ菌が原因で起こる胃がんの大半は、内視鏡を通して肉眼で確認できる大きさになるまで10年以上かかると考えられています。10年前から「がんの芽」はあったということです。もちろん、ピロリ菌を除菌することによって除菌後に発生する胃がんは減ってきているのは確かですので、できるだけ早い年齢で除菌するほうが効果的です。

ピロリ菌が原因で起こる胃がんには、形態的な特徴や発生しやすい場所、顕微鏡で見て初めてわかるなどの特徴があります。ピロリ菌除菌後に発見された早期胃がんの特徴をみると、多くはピロリ菌による胃がんの特徴を備えています。

その胃がんは除菌後にできたものではなく、実は除菌したときにはすでにあったけれど、まだ肉眼で確認できる状態ではなく、数年という時間を経て胃がんとして発見されたと考えるのが妥当だからです。

6-2. 除菌後の胃の粘膜の変化

除菌後には胃の粘膜は徐々に正常な粘膜に戻ろうとします。もし胃がんがあった場合には、胃がんの粘膜にも正常化するような変化が一部起こってきます。そうなると、がんは肉眼でもわかりやすい特徴を失い、発見が難しくなる傾向にあります。幸いこのような胃がんは急激に大きくはなりません。

年に一度の定期的な胃カメラを続けていくことで発見できることが多いので、過剰な心配はいりません。見つけにくい胃がんは、前年の内視鏡検査結果と比較することがとても重要になります。

7. まとめ

ピロリ菌の除菌により胃がんの発生や死亡率を減らす効果が期待される一方で、除菌が成功したことに安心してしまい、定期的な胃カメラを受けなくなり胃がんを見逃してしまうことがあります。

除菌が成功しても定期的な胃カメラが必要で、とくに萎縮性胃炎の程度が強い場合はより注意が必要です。

日本の内視鏡医の診断技術は高く、早期に胃がんが見つかる可能性が高いです。

早期に発見できれば死亡する可能性は極めて低いことからも、ピロリ菌除菌後にも定期的に胃カメラを受けることがとても重要になります。

胃カメラがつらいとお考えの方も多いと思いますが、鎮静剤などを使うことで胃カメラは楽に行うことが可能です。

除菌後も安心せずに、胃がんの早期発見のために年に一度の胃カメラを強くおすすめします。

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