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Endoscopist Doctor's Knowledge
現在日本人に最も多いがんは大腸がんと言われています。2020年のがん罹患数では男女合わせた総数で大腸がんは1位(それぞれの罹患数ではともに2位)、また2022年の大腸がん死亡数は男女総数で2位(男性が2位、女性では1位)となっており、誰もが大腸がんにかかるリスクがあると言えます。
そんな大腸がんを予防するにはどのようなことをすればよいのでしょうか?
今回は大腸がんを予防する効果的な方法や、気を付けたい生活習慣について、さらには必要となる検査についても詳しく解説していきます。
大腸がんとは、大腸(結腸と直腸)の内壁にできる悪性腫瘍のことを指します。通常大腸がんは、大腸の粘膜にできる小さな腫瘍(ポリープ)から始まり、時間が経つとそれが悪性化してがんに進行します。特に40歳以上の人に多く発生するとされ、生活習慣や遺伝的要因が関係していると言われています。
初期の大腸がんは症状がないことが多く、定期的な検診によって発見されることがほとんどで、がんが進行すると腹痛や下痢、便秘、血便といった症状が現れてくることがあります。さらにひどくなると体重減少や貧血、全身の倦怠感なども見られるようになります。
大腸がんを予防するには、次に紹介するような生活習慣を見直す必要があります。もちろん、生活習慣を改善しても大腸がんにかかるリスクはありますが、きちんと健康的な生活をしていくことで、大腸がんになりにくい体を作ることが可能となります。
大腸がん予防には節酒(節度のある飲酒)が大事です。厚生労働省によれば、節度ある適度な飲酒量として1日平均純アルコールで約20g程度、1日あたりのアルコール摂取量の目安は23g程度とされており、この量を超えると大腸がんのリスクが高くなることが明らかとなっています。これは日本酒なら1合、ビールなら大瓶1本(633ml)、ワインならボトル3分の1程度となりますので、くれぐれも飲み過ぎには注意しましょう。
ちなみに、飲酒は口腔がんをはじめ咽頭がん、喉頭がん、食道がん、肝臓がん、乳がんのリスクも増加させます。できることなら禁酒するのがベストです。
喫煙は、大腸がんに限らず肺がんや食道がんなど多くのがんの原因にもなります。なるべく禁煙に取り組むようにしましょう。
牛肉や豚肉などの赤肉やソーセージやベーコン、ハムなどの加工肉は、大腸がんのリスクを高めると言われている食材です。全く食べてはいけないわけではありませんが、できる限り食べ過ぎないよう注意しましょう。
逆に積極的に摂取したいのが食物繊維です。食物繊維の摂取は大腸がんのリスクを下げる可能性があると言われており、果物や野菜を1日400g摂ることが推奨されています。
適度な運動は大腸がんのリスクを下げてくれます。ただし、必ずしも激しい運動をする必要はありません。厚生労働省が発表している「健康づくりのための身体活動基準2013」によると、18歳から64歳の人は歩行などの軽い運動を1日60分行うこと、さらに息がはずみ汗をかく程度の運動を1週間に60分程度行うことが推奨されています。また65歳以上の高齢者に関しては、強度を問わず身体活動を毎日40分行うことが推奨されています。
体重については、痩せ過ぎでも太り過ぎでもがんによる死亡リスクが上がることが分かっていますので、大腸がんを予防する意味でも適切な体重を意識して過ごしましょう。
以上のような生活習慣の見直しや、がんのリスクを意識しながら生活することにより、大腸がんにかかるリスクを大幅に下げてくれる可能性は高くなるでしょう。
しかしながら、これらの生活習慣がすでに染み付いてしまっている人にとっては、なかなか改善できないのも事実です。たとえば、
「アルコールを減らしたいけど減らせない」
「そう簡単に止められるならもう止めている」
「タバコを何度も止めたいと思っているけど止められない」
「体に悪いのはもうわかっている」
「肉を食べないなんて無理、ソーセージも食べたい」
「肉を食べて長生きしている人もいる」
「1日60分の軽い運動って無理じゃないか」
「1日1時間も運動できない」
「痩せたいのは痩せたいけどなかなか痩せられない」
「太りたいけど太れない」
「ダイエットは難しい」
「痩せろと簡単には言わないでほしい」
頭ではわかっていても、生活習慣の改善についてこのように感じている人も中にはいるのではないでしょうか。リスクはあくまでもただのリスクであって、どんなに頑張っても大腸がんのリスクをゼロにすることはできません。そのためにも、がんを早期発見することが非常に大事になります。
大腸がんになったとしても早期に発見できればほぼ治癒できます。早期発見のために最も大切なのは定期検診ですが、検診にはどのような方法があるのでしょうか?
一般的には次のような検査が行われます。
便潜血検査とは、便中に血液が混じっていないかを確認する検査です。大腸がんの早期発見に非常に効果的で、定期検診で広く行われます。
便潜血検査では、専用の検査キットで少量の便を採取して提出します。なお、便潜血検査は2日法といって別の日に2回にわたって行うことによって、大腸がん患者の80%を見つけ出すことができると言われています。2回の検査のうち1回でも陽性反応が出たら精密検査が必要です。
しかしながら、日本では、便潜血検査を受ける人は検診対象者の半分以下。そして便潜血検査で陽性となっても精密検査を受けない人が3~4割います。それによって大腸がんの発見が遅れて亡くなる人が多くなっているのが現状です。もしも便潜血検査が陽性となったら必ず大腸内視鏡検査を受けましょう。
大腸がんは早期発見できればほぼ完治できますし、かなり早期であれば内視鏡治療で簡単に治ります。そのためにも、便潜血検査の陽性・陰性関わらず大腸内視鏡検査を受けることは非常に重要と言えるでしょう。
大腸がんは大腸ポリープを切除することで予防できることがメリットです。そう考えると、大腸内視鏡検査を受けて大腸ポリープがあれば切除するのが大腸がんの最高の予防法と言えます。お酒を飲む人も喫煙する人も、お肉をたくさん食べる人も、運動しない人も、太っている人も大腸内視鏡検査を行えば大腸がんを予防できる可能性が高く、早期にがんを発見することができます。
先ほど紹介した生活習慣の改善はさまざまな疾患に有用なものですが、大腸がんに関して言えば大腸内視鏡検査を受けることが一番の予防となりますので、ぜひ大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。
大腸内視鏡検査の頻度としては、大腸ポリープがない人の場合は3〜5年に1度、大腸ポリープを切除したことがある人の場合は1〜3年に1度は検査を受けましょう。
以上、大腸がんの原因やその症状について、また早期発見に必要な検査方法などについて紹介してきました。
早期の大腸がんであれば、大腸内視鏡検査を行えばわずか10分で治療することも可能です。アルコール摂取、喫煙、肉食、運動不足、太りすぎや痩せすぎのようなリスクを考え予防することは、もちろん重要ですが、大腸がんに関して言うと、大腸内視鏡検査を定期的に受けていればかなり死亡リスクは下がりますし、大腸ポリープを切除すれば大腸がんになるリスクも下がります。
大腸内視鏡検査をまだ受けたことがない人も数多くいると思いますが、もし大腸内視鏡検査が怖いという人は、まずは便潜血検査を受けることから大腸がん予防を実践していきましょう。
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