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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
皆さんが、何かしらの体の不調を感じた時、まず駆け込むのは医療機関である人は多いとは思いますが、時間帯や症状により、薬局・ドラッグストアという人も比較的いるのではないでしょうか。最近ではコンビニで買える薬もあり、緊急の際には非常に重宝することもあります。
しかし、店頭に並ぶ市販薬は非常に数も多く、どれが自分にとって最適なのかよくわからないと感じている人もいるのではないでしょうか?錠剤や顆粒、液体タイプなど薬の形状もさることながら、どのような成分が入っていれば症状に効くのかわからないことには、購入するのも躊躇してしまうでしょう。もちろん、薬局・ドラッグストアにいる薬剤師に症状を相談してみることが必要なのですが、市販薬では何がおすすめなのか知っておくと、急な症状時に何を飲めばいいのか迷うことが少なくなります。
今回は胃薬に着目し、市販の胃腸薬の中でも医師がおすすめする胃薬についてわかりやすく説明していきます。
胃の痛みを感じるメカニズムとして、胃酸が多く出てしまうことで、酸性度の高い胃酸(pH2)が胃の粘膜面を傷つける「胃酸過多」は大きな要因のひとつとなっています。それに対する効果として期待できるものが、第一三共ヘルスケアから出ている胃酸を抑える薬の代表格「ガスター10」です。この市販薬は、医療機関での処方薬と同じものですが、用法や用量が異なるだけです。
ガスター10の特長としては、
⚫︎ 過剰に分泌した胃酸をコントロールして、胃痛、もたれ、胸やけ、むかつきにすぐれた効果を発揮
⚫︎ 胃酸の分泌をコントロールすることで、傷ついた胃にやさしい環境を作る
⚫︎ 直径7ミリの小粒で飲みやすい糖衣錠
といったものがあります。すぐに対処したい胃のトラブルや、起床時・空腹時に感じる胃の痛みに効果があります。
ちなみに通常医療機関の場合、胃炎だけの場合にはガスター(一般名ファモチジン)10mgを1日2回(計20mg)処方、また胃潰瘍の場合には、ガスター20mgを1日2回(計40mg)処方しています。市販薬のガスター10を朝晩半分ずつわけて薬を飲むことは、一般の医療機関で処方される「H2ブロッカー胃腸薬(H2受容体拮抗剤)」と同じ用法ですので、心配はありません。
しかし、専門医の中ではガスターは少し世代が古い薬剤と考えられており、胃酸過多症状が多い現在、ガスターを出すことは少なくなりました。ガスターよりも、より胃酸を強く抑える薬として「ネキシウム(一般名エソメプラゾール)、パリエット(一般名ラベプラゾール)、タケプロン(一般名ランソプラゾール)などのPPI」や「タケキャブ(一般名ボノプラザン)P-CAB」という薬が主流となっています。「ガスター10」は現在においては少し胃酸を抑える効果が弱い胃薬と考えておきましょう。
現在は「ガスター10」「ガスター10<散>」「ガスター10<散>(リバースコントロール)」「ガスター10 S錠」「ガスター10 S錠(リバースコントロール)」が店頭販売されています。
胃酸が出過ぎる際に胃を守る薬の代表格としては、エーザイから出ている「セルベール」と呼ばれる薬がおすすめです。消化器内科専門医の処方薬としては「セルベックス」という胃の粘膜を守る薬を処方しますが、セルベールと同じ製薬会社であること、同じ成分「テプレノン」が配合されており、ほとんど同じものですが用量が違うだけです。
セルベールは、胃粘液のベールを増やして胃を守り、正常な働きへ整えることを目的とした薬です。どんな時に服用するのが良いかというと、
⚫︎ 胃に食べ物が残っていると感じる
⚫︎ 胃の動きが鈍いと感じる
⚫︎ なんとなく胃がもたれている
⚫︎ 胃の不調が繰り返し起きている
⚫︎ 食べ過ぎ・飲み過ぎ
といった症状時に効果があります。現在は「セルベール(細粒)」「セルベール整胃錠」「新セルベール整胃プレミアム(細粒)」「新セルベール整胃プレミアム(錠)」が店頭にて販売されています。日頃無理をすると胃にくる、胃もたれや胸やけといった不快症状が繰り返し起きる場合には「セルベール」を、少し食べただけで胃もたれを感じる場合には「新セルベール整胃プレミアム」がおすすめです。
また意外と人気なのが漢方薬で、おススメとしては大正製薬から出ている「大正漢方胃腸薬」が比較的よい市販薬だと言われています。
大正漢方胃腸薬の特徴として、成分のなかに「安中散」「芍薬甘草湯」が含まれています。安中散は胃腸の働きを改善するもの、芍薬甘草湯は胃の緊張を和らげて痛みを緩和する効果があります。胃酸による痛みではなく周期的に襲ってくるような胃のぜん動に伴う痛みに関し、大正漢方胃腸薬は効果があると思っていいでしょう。
服用するタイミングとしては
⚫︎ 胃のもたれ
⚫︎ 胃部不快感
⚫︎ 腹部膨満感
⚫︎ げっぷ
⚫︎ 食欲不振
⚫︎ はきけ
⚫︎ 胸のつかえ
⚫︎ 飲み過ぎ
⚫︎ 二日酔いのむかつき
が出ている際に効果があります。現在は「大正漢方胃腸薬<微粒>」「大正漢方胃腸薬<錠剤>」「大正漢方胃腸薬<内服液>」が店頭では販売されています。<微粒><錠剤>は胃のもたれ・不快感に、<内服液>は飲み過ぎ・二日酔いに効果的です。
以上ご紹介してきた「ガスター10」「セルベール」「大正漢方胃腸薬」の3つの市販薬であれば、あたかも消化器内科を受診した場合と同等の薬として服用しても問題ないのではないかと考えます。これ以外にも服用して問題ない薬はありますが、ここでは以上の3つをおすすめしておきます。
なお、ストレスや暴飲暴食によって起きる胃酸過多の場合は、攻撃因子を抑える「ガスター10」または守る因子を増やす「セルベール」を、ぜん動運動による周期的な胃痛の場合は「大正漢方胃腸薬」といった具合に、症状によって薬を使い分けると良いでしょう。
これらの市販薬を飲んではみたものの、まったく改善が見込めないという場合には、速やかに医療機関を受診するようにしましょう。症状や程度によりますが、痛いのを治すために薬を服用していたのに逆に悪くなっている、今まで感じたことのないような激しい痛みや痛みの回数が増えている場合には、医療機関での診察が必要となります。
では、どれくらいの期間市販薬を飲んで効かなければ医療機関を訪れたほうがよいのでしょうか?
通常は1~3回程度飲んで改善するようならその後も大丈夫だと思われます。なかには仕事などで忙しい人の場合、なかなか医療機関を受診できず1か月ぐらい経過したのちにようやく受診されることもあります。比較的健康意識が高い人の場合、薬に即効性を期待していることもあって2~3日程度で効かないと医療機関を受診するといった人もいます。
以上、市販の胃腸薬の中でも医師がおすすめする胃薬について見てきました。
通常、市販薬を選ぶ際には、「テレビCMが多い」「値段が安くなっている」「陳列棚のいいポジションにあるもの」といった基準で購入に至るケースが多いと思います。しかし、それぞれ症状が異なる胃痛を解消するには、自身の症状に合った薬を服用しないことには改善は期待できません。
今回医師がおすすめした「ガスター10」「セルベール」「大正漢方胃腸薬」は、だいたいどこの薬局・ドラッグストアでも手に入る薬ですので、「急に症状が出て苦しんでいる」「休みで医療機関が受診できない」など急を要する場合には、まずは服用して様子を見てみましょう。それでも効果が期待できないと感じたら、すぐに医療機関を受診して適切な治療を受けるようにしましょう。
ちなみに胃に不快な症状がある場合には、一般内科より消化器内科専門医を受診するのがおすすめです。思いがけない病気が潜んでいる可能性もあるため、症状によっては胃の内視鏡検査を受けてみる必要があるかもしれません。
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