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胃レントゲン検査で慢性胃炎や萎縮性胃炎と診断されたら胃内視鏡検査を受けるべきか?

  • 胃内視鏡検査

胃がん検診のレントゲン検査で慢性胃炎、または萎縮性胃炎と診断されたことのある人は多いのではないでしょうか。しかしその後単なる胃炎だと軽視して放置したままにしているという人は非常に危険です。胃レントゲン検査で慢性胃炎を指摘された場合、ほとんどがピロリ菌感染による萎縮性胃炎が疑われます。萎縮性胃炎は胃がん発生母地となるため、早期にピロリ菌の有無を確認することで、胃がん発生の予防にもなります。

では胃レントゲン検査で慢性胃炎や萎縮性胃炎と診断された場合、胃内視鏡検査を受けるべきなのでしょうか?胃レントゲン検査に比べると、胃内視鏡検査は費用も高く検査時に苦しいイメージが付きまといます。そのため胃内視鏡検査を敬遠しているといった人が多いのも事実です。

しかし胃内視鏡検査を受けることは、慢性胃炎や萎縮性胃炎だけでなくピロリ菌の有無、初期の胃がんなどの発見に有効なため、定期的に胃内視鏡検査を行うことが推奨されています。

今回は、胃レントゲン検査で慢性胃炎や萎縮性胃炎と診断されたら胃内視鏡検査も受けるべきかどうかについて詳しく見ていきます。

1. 慢性胃炎とは

腹痛の男性

慢性胃炎とは、胃の粘膜が長期間にわたって慢性的に炎症を持続している状態を指します。慢性胃炎にかかると胃の内壁に継続的な損傷を与えることがあります。

慢性胃炎の原因としては、ヘリコバクターピロリ菌の感染や長期的な薬物使用(特に非ステロイド性抗炎症薬)、アルコール消費、喫煙、ストレスなどが挙げられます。症状としては、胃痛胸やけ、食欲不振、吐き気などがありますが、全く症状がでない場合も少なくありません。

1-1. 萎縮性胃炎

慢性胃炎が長期にわたって続くと、炎症によって粘膜が徐々に薄くなり、その機能が低下する状態を指します。萎縮性胃炎では、正常に存在する胃腺が減少し、その代わりに腸上皮化生や線維化が進行することがありますが、これによって胃酸の分泌が低下し、消化機能が弱まることが特徴として挙げられます。

萎縮性胃炎の原因ですが、ほとんどがヘリコバクターピロリ菌(ピロリ菌)の感染による慢性炎症によるものです。一度ピロリ菌によって胃の粘膜が傷つけられると、ピロリ菌を除菌しても胃の粘膜が元の状態に戻らないため、萎縮性胃炎と診断され続けてしまいます。

この萎縮性胃炎は、将来的に胃がんへ進行するリスクが増加するとされているため、ピロリ菌に感染している人は早急にピロリ菌の除菌が必要です。

1-2. ピロリ菌の除菌方法

ピロリ菌の感染が確認されたら、医療機関にてピロリ菌を除菌するための治療を受ける必要があります。ピロリ菌の除菌治療では、胃酸の分泌を抑えるプロトンポンプ阻害薬を1種、抗菌剤2種の合計3種類の薬を同時に1日2回、計7日間服用します。治療が終了した後4〜8週間経過後に尿素呼気試験などでピロリ菌の有無を確認します。

ピロリ菌除菌治療は、正しく服用した場合に約8~9割の確率で除菌が成功すると言われています。一次除菌治療でピロリ菌が完全に除菌できなかった場合には、抗菌剤の1つを別の薬に変え、再度同じ手順で除菌治療を行います。二次除菌治療では約97%が除菌に成功すると言われ、二次の段階でほとんどが除菌できます。

ただし、ピロリ菌除菌に成功した人であっても、一度でもピロリ菌に感染しているとその後の胃がんリスクは完全にはなくならないため、定期的な検診が必要となります。この際には胃レントゲン検査ではなく胃内視鏡検査を受けることが大事です。

2. 胃レントゲン検査vs胃内視鏡検査

女性医師

胃がん検診を受ける際、胃レントゲン検査で済ますか胃内視鏡検査を受けるかで迷う人も多いと思います。胃レントゲン検査と胃内視鏡検査ではそれぞれ検査方法等に大きな違いがあります。

胃レントゲン検査と胃内視鏡検査の比較

3. 胃内視鏡検査を受診した方が良い理由

顕微鏡をのぞく女性

日本消化器がん検診学会より2023年1月に報告された「2019年度消化器がん検診全国集計報告」によると、胃レントゲン検査による胃がん発見数は、受診者数3,874,408件に対し2,553件、がん発見率は0.066%という数値が出ています。一方で胃内視鏡検査による胃がん発見数は、373,596人の受診者数に対し、発見胃がん数は609件と早期胃がん発見率は0.163%という約2.5倍の数値が確認できます。

胃レントゲン検査よりも胃内視鏡検査を受診する方が良い理由には次のようなものがあります。

3-1. 正確な診断

胃内視鏡検査は胃の内部を直接観察するため、胃炎や胃潰瘍、胃ポリープ、胃がんなどの病状を詳細に診断することができます。これにより、胃レントゲン検査など他の診断方法では見逃されがちな早期の異常についても発見可能です。

3-2. 生検による病理診断

胃内視鏡検査は胃レントゲン検査と違い、検査中に疑わしい組織のサンプルを採取する(生検)ことができます。これによりって採取した組織が良性か悪性か、どのような炎症タイプなのか、といったより詳細な病理学的診断が可能になります。

3-3. 予防的な健康管理

日常生活では特に症状がない人であっても、定期的に胃内視鏡検査を受けることで、慢性胃炎、萎縮性胃炎、胃がんなどの早期発見と早期治療が可能になります。家族歴がある人、過去に胃疾患の既往がある人の場合には特に胃内視鏡検査は推奨されます。

3-4. 症状の原因特定に効果的

慢性胃炎や萎縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、胃がん等の症状には胃の不快感や慢性的な胃痛、消化不良、慢性的な吐き気などがあります。このような症状が出た場合、胃内視鏡検査を行うことで、その原因を特定し、適切な治療法を選択することができるため、早期改善が見込めます。

4. 慢性胃炎と診断されたら内視鏡検査を受けよう

病院の受付

もしも、胃レントゲン検査で慢性胃炎または萎縮性胃炎と診断された場合は、より精密な診断を受けるために胃内視鏡検査を受けましょう。先ほどご紹介したように、慢性胃炎の場合には、ピロリ菌の感染がまず疑われます。

ピロリ菌感染した胃の所見では、粘液の付着や、黄斑点(キサントーマ)、胃液の濁りなどが観察されます。また炎症が続き萎縮性胃炎が進行した胃では、粘膜ひだの萎縮や腸上皮化生などが見られることがあります。このように、胃内視鏡検査により、現在の胃の中の状況をより正確に見ることができますし、長期的な観点からしても胃がんの早期発見につながる予防策にもなります。

現在の胃がん検診では胃レントゲン検査と胃内視鏡検査の両方が推奨されていますが、これまで定期検診といえば胃レントゲン検査を行っていたという人も、一度でも慢性胃炎と診断された場合、今後は胃内視鏡検査を定期的に受けることがおすすめです。

5. まとめ

胃痛の女性

以上、胃レントゲン検査で慢性胃炎や萎縮性胃炎と診断されたら胃内視鏡検査も受けるべきかどうかについて紹介してきました。

慢性胃炎は萎縮性胃炎に発展すると胃がんのリスクが高くなる厄介な病気です。慢性胃炎の原因のほとんどはピロリ菌感染によるものと言われています。ピロリ菌感染の経過観察としても胃内視鏡検査を定期的に受けることは重要です。

慢性胃炎や萎縮性胃炎は決して放置せずに、定期的な胃内視鏡検査で胃の中をチェックすることを忘れないでください。

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