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感染性胃腸炎になったらどうする?

  • 疾患・症例

水のような下痢や腹痛、胃痛、嘔吐は感染性胃腸炎の症状かもしれません。
ウィルスや細菌が原因となります。
今回は感染性胃腸炎について解説します。

感染性胃腸炎とは?

ウィルスや細菌が口から入り、胃腸に感染した状態です。
ウィルスや細菌がついた食事や水などの摂取やそれらがついた手指などが口に触れることで感染します。
一般的に、夏には細菌性の胃腸炎、冬にはウイルス性の胃腸炎が多いです。

感染性胃腸炎の感染経路、病原体は?

このように感染します。

①病原体が含まれる便や嘔吐物から人の手などを介しての感染(二次感染)
②人から人への飛沫感染などの直接感染
③食品取扱者(食品製造業、飲食店などの従業員、家庭での調理者など)が感染して、その感染者を介して汚染された食品を食べての感染
④汚染された食品を生食あるいは加熱が不十分な状態で食した場合
⑤汚染された井戸水、簡易水道を消毒不十分で摂取した場合 

どんな病原体があるのか?

ウィルスとしては、ノロウィルス、アデノウィルス、ロタウイルスなどが有名です。
細菌としては、サルモネラ、カンピロバクター、病原性大腸菌、腸炎ビブリオ、エルシニア、ウェルシュ菌、黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、リステリア菌などが有名です。
代表的な病原体と感染経路となる原因、潜伏期間を紹介します。

病原体 感染経路となる原因 潜伏期間
ノロウィルス 貝など。最近は感染した調理者が作った食品での感染も増加。 1~2日
ロタウィルス 汚染された水、二枚貝 1~3日
リステリア菌 生乳、チーズなど 1日から数週間
腸管出血性大腸菌 牛レバ刺しなどの生肉や加熱不十分な肉(ハンバーグなど) 1~10日
腸炎ビブリオ 魚介類(寿司、刺身など) 8~24時間
サルモネラ菌 食肉(特に鶏肉)、卵 6時間~3日
カンピロバクター 鶏肉 1~7日
黄色ブドウ球菌 汚染された食品(おにぎり、弁当など) 1~3時間
エルシニア菌 食肉 2~3日
ウェルシュ菌 カレー、スープなどの煮込み料理など 6~18時間

*潜伏期間:病原体に感染してから、症状が出現するまでの時間

感染性胃腸炎はほかの人にうつるのか?

感染性胃腸炎は、他人にうつる可能性があります。症状が強い時は、家族との接触もさけ、家で安静にしましょう。
アルコール消毒が有効なことが多いのですが、ノロウイルスやロタウイルスには次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などが有効です。注意しましょう。
感染した人が接触した物、下痢や嘔吐物が接触した物と接触しないようにしましょう。

感染性胃腸炎はどんな症状?

主な症状は水のような下痢です。病原体によっては腹痛、胃痛、嘔吐、血便、発熱なども発症することがあります。腸管出血性大腸菌、カンピロバクター、サルモネラ腸炎、チフス・パラチフス、細菌性赤痢などでも血便が生じることがあります。
O157のうち大半は、4-8日の潜伏期間後に激しい腹痛を伴った水様性の下痢が頻回に起こります。その後、血便が出ることがあります。
成人で健康な人の場合は、無症状もしくは軽症の場合もありますが、発熱を伴う場合もあります。
怖いのは、溶血性尿毒症症候群(HUS)の脳症です。
HUSは下痢が始まってから4-10日程度で発症しO157感染者の6-7%に発生するといわれています。
破砕赤血球を伴う後天性溶血性貧血、急性腎不全、血小板減少の3兆候が特徴です。
症状は、浮腫(むくみ)、乏尿(尿の量が減少)、倦怠感(全身のだるさ)、蒼白(血色が悪い)、出血傾向(血液を固める働きをする血小板数が少なくなり、出血しやすくなります)などが生じます。重症例では傾眠(眠くなりやすい)、幻覚、けいれんなども起こります。
脳症はHUS患者の20-30%が発症します。
症状としては、頭痛、傾眠(眠くなりやすい)、不穏(行動が活発になり、落ち着きがない状態)、多弁(口数が多くなる)、幻覚などでその後にけいれんや昏睡(意識がなくなる)が生じます。
重症例では、死亡することもあります。

感染性性胃腸炎に対する検査は?診断はどうする?

まずは問診をして、どんな症状か、何を食べたか(1週間前まで聴取)、周囲の感染流行の情報(家庭や職場、学校における流行状況)を調べます。
検査としては、ウィルス性であれば、便や腸液で迅速診断キットによる抗原検査。
細菌性を疑えば、便や腸液を培養し、原因となる細菌を検出。
という検査を行うこともあります。
ノロウイルス抗原検査という検査方法がありますが、3歳未満、65歳以上の方のみ保険適応です。しかし、ノロウィルスに感染していても必ずしも陽性になるとは限りません。
食中毒や集団感染の原因追及目的で、電子顕微鏡法やPCR法などの検査もありますが、一般の医療機関では行われていません。

*検査に関しては、行わないことも多いです。問診のみで下記の対処療法を行うことがほとんどです。

感染性胃腸炎の治療は何をする?

患者さんひとりひとり症状が異なるため、その症状にあった対処療法が中心となります。下痢がひどい場合は「下痢を止めたい」と思う方もいると思いますが、下痢止めは腸内にある病原体を体内にとどめてしまい、毒素を吸収してしまう可能性があるため基本的には使用しません。
下痢の改善を目的に、腸内細菌叢を回復させる整腸剤を処方することが多いです。細菌性胃腸炎では抗菌薬(抗生物質)を用いる場合もありますが、多くの場合は必要ありません(医師の判断による)。脱水治療、予防のために病院では点滴を行うこともありますが、経口摂取が可能であれば自宅で水分補給をしっかり行うことも重要な治療となります。
また、胃痛や嘔吐がある場合は症状によっては胃薬や吐き気止めも使用します。
ノロウィルスにもワクチンや抗ウィルス薬はありません。
胃腸炎の際の食事は、食物繊維や脂肪が少ない食品をやわらかく調理した料理が適しています。また香辛料などの刺激物、生物は避けましょう。
おかゆ、うどん、白身魚、脂身の少ないささみ肉、卵、豆腐などが適しています。

感染性胃腸炎の予防はどうすれば良いの?

①病原体は、基本的には加熱処理をすることで、死滅させることができます。
しっかり火が通ったものを食べましょう。
②手洗い、手指の消毒をしましょう。アルコール消毒が多くの細菌やウィルスに効果的ですが、ノロウイルスやロタウイルスが疑われる場合は次亜塩素酸ナトリウムが入った家庭用洗剤などで消毒すると効果的です。
③感染者と接触しない、感染した物と接触しないようにしましょう。感染者との直接の接触でも感染する可能性はあります。また、下痢や嘔吐物が付着した物からも感染する可能性があります。

感染性胃腸炎かもと思ったらどうする?

水様性の下痢や嘔吐はほとんどが感染性胃腸炎です。しかし、症状が強い時やなかなか治らないときは消化器内科を受診しましょう。
感染性胃腸炎と診断された場合は、ほとんどが対症療法(整腸剤、水分摂取、安静など)で治癒することがほとんどです。脱水の予防、治療として点滴療法を行うこともあります。

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