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飲酒はがんリスクを上げる?リスクを軽減しながら飲酒する方法を解説

  • がん
  • 食生活

お酒が好きな方にとって「飲酒ががんになりやすい」と聞くと「なんとかいい方法がないか」と考えますよね。

実は、胃腸に負担をかけてしまうお酒の飲み方を避けることで、がんやそれ以外のリスクを軽減できます。

今回は、がんのリスクを減らしつつ美味しくお酒を飲む方法をご紹介します。

1. 飲酒のリスク

ビールで乾杯

夏の暑い日のビールや体が冷えたときの日本酒が欠かせないという方もいるかと思いますが、飲酒は私たちの体に対してどのようなリスクがあるのでしょうか?

飲酒によって起こりうるリスクをまとめてみました。

・がん(頭頸部がん(口腔・咽頭・喉頭)、食道がん、肝臓がん、大腸がん、乳がん)
・脱水症状による心筋梗塞や脳梗塞

「飲酒でがん」というキーワードから多くの方は、肝臓がんのリスクが高くなるイメージをしたかもしれません。実は、飲酒によって頭頸部がん、食道がん、大腸がん、乳がんのリスクが高くなることを世界保健機関(WHO)では、認定しているのです。

2. アルコールの分解には個人差がある

酔っ払う女性

肝臓は、発がん性物質であるアセトアルデヒドを分解し、がん化を抑える働きがあります。ただし、アセトアルデヒドを肝臓で酢酸に分解する働きには個人差があります。

アセトアルデヒドを酢酸に変えるアルデヒド脱水素酵素(ALDH)の活性(働き)の強弱は遺伝で決まっており、分解に時間がかかる遺伝タイプの方ではがんリスクが高まります。ALDH2の遺伝活性タイプには大きく3つの型があります。

・NN型:お酒に強い。ALDH2型の正常活性遺伝子型
・ND型:適度にお酒が飲める。NN型の16分の1の活性しかない遺伝子型
・DD型:ほとんどお酒が飲めない。ALDH2型の活性のない遺伝子型

NN型は、お酒に強いとされるタイプです。ND型は、ある程度のお酒を飲むことはできますが、顔が赤くなってしまうタイプ、DD型はほとんどお酒が飲めないタイプになります。

日本人の約44パーセントは、ある程度お酒は飲めるが顔が赤くなるND型であることがわかっています。つまり、お酒は飲めるもののお酒に弱い方が多くいるということです。

3. アルコールががんリスクを上げる

癌

アルコールには発がん性物質が含まれておりそれを肝臓が分解することでがんをできにくくしていますが、無効化しているわけではありません。

当然、飲酒の量が多い方や、毎日のように飲酒をしている方は、がんのリスクは増加します。それぞれのがんと、アルコールの関連性をまとめてみました。

3-1. 頭頚部がん

頭頚部は、頭蓋底部の下から鎖骨より上の部分にあり、頭頚部がんは、鼻、副鼻腔、口腔、咽頭、のど、唾液腺、甲状腺にできます。

頭頚部がんと飲酒の関連性については、近年の研究によって、少量の飲酒でも頭頚部がんのリスクを高めるという報告がされています。

また、日本頭頸部癌学会でも「禁煙・節酒宣言」を出し積極的に正しい知識を与える活動を行っています。平成15年には、WHO(世界保健機関)が中・下咽頭がん、口腔がん、食道がんを飲酒関連がんとしています。

3-2. 食道がん

食道は喉頭部から胃の間にあり、太さ2~3cm、約28cmほどの消化器官です。食道では内側の粘膜から粘液を分泌し、口から入ってきた食べ物を胃へ送る働きがあります。

食道がんは、食道の中間部分に発生しやすいといわれ、早期の食道がんは粘膜内でとどまりますが、進行すると細胞の奥深くまで浸潤し転移する恐れもあります。

アルコールは直接食道を通過することもあり、アルコールの分解ができない非活性型や低活性型の場合は、発がん性物質であるアセトアルデヒドが長い間とどまることでがんのリスクが高くなる傾向があるのです。

また、お酒を毎日3合以上飲んでいる方のリスクは、飲まない方の60倍以上ともいわれています。

3-3. 肝臓がん

肝臓は、腹腔と呼ばれる位置、右側肋骨の下あたりにある体の中でももっとも大きな臓器です。

肝臓には下記の3つの機能があります。

・解毒機能:体外から入ってきたアルコールや薬剤を無害な物質に作り変える
・生成機能:胆汁の生成と分泌。胆汁によって老廃物を外へ出す
・貯蔵機能:口から得た食べ物から糖質、タンパク質、脂肪を蓄え、体内のエネルギーを補給する

肝臓の機能である解毒機能によってアルコールは分解されるため、飲酒が肝臓がんの原因であることは多くの方が認識しているかと思います。また、飲酒が肝臓に負担をかけることを認識している方は多いでしょう。

実際に、アルコールの飲みすぎによって高頻度でアルコール性肝障害などの肝臓病が起こるとされています。1週間に1回未満の飲酒機会がある方を基準にした場合、日本酒3合以上を飲酒する男性は1.66~1.76倍、女性の場合は日本酒1合以上を飲酒する方は3.6倍、肝臓がんのリスクが増加することがわかっています。

3-4. 大腸がん

大腸は、小腸と肛門の間にあり結腸、S状結腸、直腸の3つに分けられ全長約2ⅿある臓器です。大腸の粘膜は傷つくと出血しやすいですが、再生力もあります。

大腸がんの原因が飲酒であるといわれるのには、2つの代謝の経路が関係しています。

・アルコール代謝によるもの:アルコールは、肝臓でアセトアルデヒドに分解され、大腸で酢酸となり体外へ放出されます。しかし、アルコールの量が多くなるとアセトアルデヒドも増加するため大腸でアセトアルデヒドが蓄積され、大腸がんのリスクが高まるといわれています。

・葉酸代謝によるもの:葉酸が不足すると発がんが促進されるという報告がありますが、アルコールは葉酸の吸収を阻害するため発がんリスクが高くなるといわれています。

3-5. 乳がん

乳がんと飲酒の因果関係については、欧米の疫学研究から多く発表されています。発がん物質であるアセトアルデヒドが女性ホルモンへ影響を及ぼしている可能性が指摘されていますが、明確な研究結果はありません。

4. おすすめのお酒の飲み方

ビールと枝豆

飲酒ががんのリスクを上げてしまうということを理解したうえで、リスクを軽減する飲酒方法を知り実践することが大切です。

がんやそれ以外のアルコールによるリスクを避けるお酒の飲み方を以下に挙げます。

・空腹のときに飲まない
・辛いおつまみを避ける
・お酒の前にウコンを飲む
・水分と一緒にお酒を飲む

一つひとつ見ていきましょう。

4-1. 空腹のときに飲まない

空腹状態でアルコールを飲むと、アルコールが吸収されやすくなりアルコールの血中濃度が上がるため酔いが回りやすくなります。また、胃に何もない状態でアルコールが入ってくると胃壁を刺激することになるためがんのリスクが高くなるのです。

おつまみを食べながらアルコールを飲むことで、アルコールの吸収速度が低下しアルコールの血中濃度が上昇しにくくなります。

おつまみにおすすめなものは、低カロリーで高タンパク質なものです。具体的には、下記のものがいいでしょう。

・肉類:焼き鳥など
・魚介類:刺身など
・乳製品:チーズなど
・大豆製品:枝豆など

空腹のまま飲酒することは控え、上記の食べ物を一緒に食べるようにしましょう。

4-2. 辛いおつまみを避ける

塩分の高い辛いおつまみは、アルコールとの相性もいいため飲酒するときのおつまみに選ばれやすいです。

ただし、辛いおつまみは、水分が欲しくなるため飲酒の量も増えやすくなります。また、塩分は食道や胃の粘膜のバリアを壊します。胃がんの原因で一番多いのはピロリ菌ですが、次に多いものが塩分のとりすぎによるものです。

飲酒が直接胃がんリスクを上げるわけではありませんが、塩分によって胃の粘膜を傷つけ、さらにアルコールで刺激を与えると胃がんリスクを少し高める可能性が出てくるかもしれないのです。

4-3. お酒の前にウコンを飲む

二日酔いがひどい方や酔いやすい方は、飲酒する前にウルソという成分が入った栄養ドリンクを飲むのをおすすめします。

ウルソは、胆汁の一つで、肝臓に働きかける胆汁酸の分泌を促進・維持してくれる成分です。肝臓の負担を軽くしアルコールも分解しやすくなるので、飲酒前にウコンなどのウルソが入ったドリンクを飲むと肝臓の働きの一助になるでしょう。

4-4. 水分と一緒にお酒を飲む

ビールやワイン、日本酒などの醸造酒は、糖質が高いものが多く飲酒することで太りやすくなります。

肥満もがんのリスクを高くする要因であるため、糖質は避けたいところです。

一方、蒸留酒は糖質が低いですが、アルコール度数が高くなります。アルコール度数が高いことでさらに発がんリスクが上がってしまいます。

また、アルコール度数の高いお酒は血中濃度を上げ、脱水症状も起こしやすくなるため、お酒の弱い方は弊害が大きくなることを覚えておくといいでしょう。

おすすめは、蒸留酒を選択し、焼酎やハイボールを水で割って飲むことです。水割りにすることでアルコール度数も抑えられ、お酒も薄まるため食道への刺激も少なくなります。

ビールは喉が渇いているときに飲みたいという方も多いでしょうが、水分不足のまま飲むのは危険です。利尿作用があるため水分補給をしないままビールを飲み続けると、知らない間に脱水症状を起こしていることがあります。

脱水に気づかずそのまま酔って寝てしまうと、心筋梗塞や脳梗塞になってしまうケースもあるため、お酒と水は交互に飲むようにしましょう。

5. 定期的な胃・大腸内視鏡検査がおすすめ

受診

顔がすぐに赤くなるものの、多量のお酒を飲む方も意外に多いです。

先にお伝えした通り、日本人の約44パーセントは、ある程度お酒は飲めるものの顔が赤くなってしまうND型であることがわかっています。つまり、約44%の方は飲酒によるがんのリスクがあるといえるのです。

頭頸部がん、食道がん、肝臓がん、大腸がん、のいずれも初期症状はほとんどなく進行するがんであるため、症状が現れたときには進行がんになっているということも少なくありません。

早期がんであれば多くの場合、がんを摘出してしまえば完治できます。早期で見つけ対応するためにも、定期的に胃・大腸内視鏡検査を受けるようにしましょう。

6. まとめ

水を飲む女性

飲酒はがんのリスクを高めるため、できれば避けることが一番です。

しかし、飲酒習慣のある方にとってアルコールを一切飲まないというのは辛いことかもしれません。そのため飲酒するときのアルコールを蒸留酒にして、空腹を避け塩分の少ないつまみと水分をとりながら飲むことを意識しましょう。

また、飲酒量が多い方はがんのリスクが高くなるため、定期的な内視鏡検査を受けることも大切です。

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