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おすすめ内視鏡豆知識
Endoscopist Doctor's Knowledge
ご存知の方が多いかも知れませんが、日本では大腸がんにかかる方は増加傾向です。
がんによる死亡数でも胃がんを抜いて第2位となっています。
すでに女性では、がん死亡数の第1位は大腸がんです。
女性はおよそ12人に1人、男性はおよそ10人に1人が一生のうちに「大腸がん」と診断されています。
この数字、みなさんはどう考えますか?少ない?多い?どちらでしょうか?
「自分が今、大腸がんになっていたらどうしよう?」、「今後、大腸がんになることもあり得るので不安だ。」と思った方はぜひ一度大腸内視鏡検査を受けてみてください。
たまプラーザ南口胃腸内科クリニックでは1日20件前後の大腸カメラを行っています。
大腸内視鏡検査は、大腸がんや大腸ポリープの早期発見にも有効で、しかも大腸ポリープを切除することで大腸がんの予防にもつながる有用な検査です。
胃カメラは、朝食を食べずに受診するだけであまり制約がない検査ですが、大腸内視鏡検査はいくつか制約がありますので、注意点をいくつかご紹介します。
保険診療の場合は、まず医師による診察が必要となります。
患者さんの状況に応じて医師が判断して、大腸カメラが必要、適応であるかどうか判断します。
健康診断で特に異常もなく、全くの健康状態の人には「保険適応」はなく、自費扱いになります。大腸カメラは人間ドックや健診などでも行われますが、こちらは基本的に自費となります。このようなルートで行う方は、医師による問診がなく検査当日に医療機関を受診するだけという場合があります。
まず、「保険適応って何?」というお話もしていきます。
保険適応とは、保険証をつかって全国一律の費用で診察、検査、投薬などを受けることができるシステムをいいます。みなさんが当たり前のように病院を受診して、受けている医療はほぼ保険適応の医療です。
保険証を使用すれば、保険適応であれば自己負担は人によって異なりますが、通常1-3割となります。
自費の場合は、10割負担もしくは医療施設が定めた費用を支払うことになります。
保険適応での大腸内視鏡検査の費用についてはこちら
★次のような方は保険適応になります。
➀前日の食事
まずひとつ目は検査前日の食事についてです。
大腸カメラで大事なことのひとつが「いかに大腸をきれいにするか?」です。
大腸がきれいであればあるほど、検査中に大腸ポリープや大腸がんが発見されやすくなるとされています。
そしてこの前処置は「検査前日の食事」がかなり大事になります。
このようなきれいな大腸であれば、このような小さなポリープや
このような平坦な大腸がんも発見しやすくなります。
*きれいな大腸粘膜
*きれいな大腸粘膜だからこそ発見された早期大腸がん(日帰り治療で完治)
便が残ってしまうと見逃しの原因になるかもしれません、要注意です。
検査前日の食事に気を付けないと食物が残ってしまいます。
代表的な禁止食材を食べてしまうとこのように残ってしまいます。
全く消化されずに残ってしまいます。
これはシイタケと思われます。こんにゃく同様に消化されずに残ってしまいます。
これはすべて野菜です。少なければあまり問題ないのですが、たくさん食べてしまうとこのように野菜の塊となり、ポリープの発見の妨げになります。
検査ではこの塊を吸引したり、どかしながらの検査となり時間がかかってしまいます。
吸引できる大きさには限界があり、このくらいの野菜はほとんど吸いきれません。
冬には鍋を食べてしまい、こんにゃくもキノコも野菜も残っている人がいますし、夏にはスイカを食べてスイカの繊維質や種がたくさん残っている人が多いです。
みなさんかなり気を使っていただき、注意しているのですが中には「面倒くさい」と思われる方も多いと思います。
そのような方にお勧めなのが「ダルムスペースリッチ」という大腸カメラ検査前日用の食事セットです。
当院のホームページに詳細とスタッフが食べてみての感想なども載っています。
ぜひ参考にしてください。
https://www.tamapla-ichounaika.com/colonoscopy/day-before/darmspacerich/
正直、「毎日食べたい‼‼」と思うものではありませんが、大腸カメラ前の前日だけなら普通に食べられます。
食事を考えるのが面倒、大腸の中を少しでもきれいにしたいという方は当院で販売していますので一度お試し下さい。
また、コンビニなどで売っている野菜が入ってない卵やツナのサンドイッチや海苔がまかれていない塩むすび、サラダチキンやレトルトの魚なども食べられますので検討してみてください。
https://www.tamapla-ichounaika.com/colonoscopy/day-before/convinience-food/
②前日夜の下剤
次は前日夜に飲む下剤についてです。
通常は、前日夜に下剤を飲みます。病院によって種類や量は異なると思いますが、このような液体の下剤や粉末状の下剤を飲みます。すぐには効かないので、内服後は普通に寝ていただいて大丈夫です。
翌日の朝方に効いてきます。
ひとによっては効きすぎてしまうことがあります。
以前、下剤を飲んで腹痛が起こったことがある方は事前に医師に伝えておくと良いでしょう。
➀当日の下剤
次は検査当日の下剤についてです。腸を洗い流す役割のため、洗腸剤とも呼ばれます。
この洗腸剤も、多くの種類があり施設ごとに異なります。
ほとんどのものが容器に粉末が入っており、水を規定量入れるだけですので簡単です。
コップに入れて少量を少しずつ飲んでいきます。
これも飲み方がありますので事前に聞いた飲み方を守ってください。
当クリニックでは洗腸剤の味にもこだわっており、様々な種類の洗腸剤のなかでも最も飲みやすい物を使用しております。飲む量も2リットルと決めておらず、極力少ない量で済むように様々な工夫をしております。この洗腸剤は体にほとんど吸収されませんので、同じ量の水を飲むのに比べてはるかに楽だと思います。
規定量を飲んでいただければ、きれいになることが多いのですが、きれいにならない場合は早めに検査施設に連絡しましょう。
②検査後の注意事項、運転禁止
最後に検査後の注意事項についてです。
検査後の注意事項は施設によって異なります。
また大腸ポリープを取ったかとっていないかで異なります。
それは大腸ポリープ切除後はごくわずかですが、切除した部位から出血する可能性があるからです。
当院ではこのような小さなポリープ切除後など比較的切除後の出血のリスクが少ない場合は検査当日の食事、飲酒、運動の制限を設けていますが、翌日からは通常通りの生活で大丈夫と説明しています。
しかし、このような大きなポリープや切除後の出血リスクが高いと判断した場合は1週間の食事制限、飲酒制限、運動制限などがありますので注意が必要です。
これはあくまでも当院のルールなので、検査を受けた施設の注意事項をよく聞いてそれに従うようにしてください。
そしてよく聞かれるのが、「鎮静剤を使った後は車を運転することは可能でしょうか?」という質問です。
答えは、「NO」です。
道路交通法第66条に「何人も、過労、病気、薬物の影響その他の理由により正常な運転ができないおそれがある状態で車両等を運転してはならない。」と記載されています。
つまり鎮静剤は薬にあたるため、ご本人が正常に運転できると思っていても正常な運転ができない状態と判断されるため運転することは禁止です。
鎮静剤を使用して、1時間程度休んでから帰宅していただいています。患者さん自身は、しっかりしていると思いがちですが、飲酒運転と同様、運転は危険です。自転車やバイクも同様です。
内視鏡検査当日の車やバイク、自転車の運転はできません。内視鏡検査翌日からは通常通り車の運転などが可能となります。
検査当日は、送迎していただくか、タクシーやバス、電車などの公共交通機関をご利用ください。
今回は大腸内視鏡検査の前後の注意事項などを説明しました。
大腸は便が詰まっているため、いかにきれいにするかが重要です。
検査前の食事、下剤の注意事項を守りましょう。
この検査を受けることで大腸がんのもとになる大腸ポリープを発見して切除することで大腸がんの予防にもなります。そして大腸がんを早期に発見することで、大腸がんで亡くなる可能性を少しでも低くすることができます。
大腸内視鏡検査を受けてみませんか?