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逆流性食道炎を悪化させるNG行動とは?症状をラクにする3つの生活習慣も紹介

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逆流性食道炎は、胃の内容物(胃酸など)が食道に逆流し、胸やけや喉(のど)の違和感、慢性的な咳などを引き起こす病気です。「これくらい大丈夫」と放っておくと、症状が慢性化して生活の質(QOL)が低下するだけでなく、食道粘膜に繰り返し負担をかけることで、食道がんのリスクが高まる可能性もあります。

今回は、逆流性食道炎を悪化させる、やってはいけないことや、症状を和らげるためにすぐ実践できる生活習慣について詳しく解説します。

逆流性食道炎でやってはいけない4つのこと

逆流性食道炎に悩む人が増えている背景には、食生活の欧米化や早食い、ストレスなどさまざまな原因があります。まずは症状を悪化させる行動を知ることが大切です。もし、これから紹介する行動に思い当たる点がある場合は、少しずつ控えてみましょう。

1.食後すぐに横になる

ごはんを食べた直後は、胃の中にたくさんの食べ物や胃酸がある状態になっています。さらに食道と胃の境目は、食後にゆるみがちです。このようなときに横になってしまうと、重力の助けがなくなるため胃酸が逆流しやすくなります。

「食べてすぐゴロゴロするのが楽」という気持ちはわかりますが、できれば2~3時間は横にならないように注意しましょう。特に、夜遅い時間に食事をしてすぐ寝てしまうと、胸やけが悪化する可能性が高まります。

2.過度な飲酒・喫煙をする

アルコールは胃酸の分泌を増やし、胃や食道を刺激する原因となります。さらに喫煙は、食道の入り口を締めている筋肉(下部食道括約筋)をゆるめるため、胃酸が逆流しやすくなるのです。

「どうしてもお酒をやめられない」という方は量を控えたり、飲む頻度を減らしたりする工夫をしてみてください。一方、タバコは百害あって一利なしとも言われます。逆流性食道炎に限らず、健康を考えるうえでも禁煙を検討する価値は大きいでしょう。

3.食べ過ぎ/高脂肪食を好んで食べる

一度にたくさん食べたり、脂っこい食事ばかりとったりすると、胃に長い時間食べ物が残ることになります。そうすると胃の中の圧力(あつりょく)が高くなり、胃酸が上がりやすくなります。たとえばラーメンを食べるときに脂身の多いチャーシューを少なめにしたり、揚げ物を食べる回数をおさえたりするだけでも、胃の負担を減らすことが可能です。

また、コーヒーや緑茶などに含まれるカフェイン、炭酸飲料も胃酸の分泌を増やすため、取りすぎには注意したほうがいいでしょう。

4.ベルトを締め過ぎる

食後にベルトやウエストがきついズボンを着用すると、お腹を圧迫(あっぱく)してしまいます。お腹が圧迫されると胃の中も押されて、逆流が起こりやすくなってしまいます。特に食後は、少しでもウエスト周りをゆるめにして過ごし、できるだけお腹を圧迫しないような配慮が必要です。

そもそも逆流性食道炎とは?

逆流性食道炎とは、胃酸が食道に逆流して、食道の粘膜(ねんまく)を傷つける病気のことです。普通なら胃酸は胃の中だけにあるので、食道にはほとんど上がってきません。しかし、加齢や肥満、食べ過ぎなどさまざまな要因によって胃と食道の仕切りがゆるむと、胃酸が食道へ流れ込みやすくなるのです。

逆流性食道炎の症状

逆流性食道炎では、次のような症状がよく見られます。

  • 胸やけ(みぞおちのあたりがジリジリと熱くなる感じ)
  • 呑酸(どんさん:酸っぱい液が口の中まで上がってくる)
  • のどの違和感(ヒリヒリ・イガイガする)
  • 慢性的な咳(風邪ではないのに長く続く咳)

症状は軽いうちは我慢できるかもしれませんが、放置していると炎症が悪化して、食事や睡眠にまで影響が出ることもあります。さらに、逆流性食道炎が長く続くと、食道と胃の境目に発生する食道胃接合部のがんの原因になることもあります。

逆流性食道炎が起こる主な原因

逆流性食道炎の原因は1つではなく、いくつかの要因が重なって起こることが少なくありません。ここでは、代表的な3つの原因についてご説明します。

1つ目は、加齢による筋力の低下です。年齢を重ねると、胃と食道の境目にある「下部食道括約筋(かぶしょくどうかつやくきん)」という筋肉がゆるみやすくなります。下部食道括約筋は、本来であれば胃の内容物が食道に逆流しないようにふたをする役割をしています。しかし、加齢によりこの筋肉の力が弱まると、胃酸が食道へ上がりやすくなってしまうのです。

2つ目は、食べ過ぎや早食いの習慣です。一度に大量の食事をとったり、よく噛まずに短時間で食事を済ませたりすると、胃が急激にふくらんでしまいます。その結果、胃の中の圧力が高まり、胃酸が押し上げられて食道へ逆流しやすくなります。特に、脂っこい料理や炭酸飲料などを頻繁にとっている方は要注意です。

そして3つ目は、ピロリ菌の除菌後に胃酸の分泌が増えることです。ピロリ菌は、慢性胃炎を引き起こして胃がんの原因にもなる細菌です。ピロリ菌に感染していることが分かった場合には速やかに除菌治療をしたほうがよいのですが、除菌治療をすると胃の炎症が改善されて胃の働きが活発になり、胃酸の分泌量が増えることがあります。その結果、逆流性食道炎が起こることがあります。

このように、年齢、食生活、そして体内環境の変化などが複雑に関わって、逆流性食道炎は発症します。「どれか1つだけ当てはまる」というよりも、「いくつかが重なっている」ことが多いため、自分の生活を見直すきっかけとして、これらの要因にぜひ目を向けてみてください。

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逆流性食道炎の症状を和らげる生活習慣

逆流を悪化させる行動を控えるだけでなく、日常生活の中で少し意識するだけでも症状は軽くなるかもしれません。次のポイントを取り入れ、できる範囲で続けてみてください。

ガムを噛む

ガムを噛むと唾液の量が増えて、食道に入った胃酸を洗い流したり中和したりする効果が期待できます。食後や胸やけを感じたときに試してみるのも一手でしょう。ただし、砂糖が多いガムは虫歯のリスクを高めますが、シュガーレスガムだと人工甘味料が含まれている場合が多いので、腸漏れのリスクを高めてしまので、こちらも要注意です。

寝るときに頭部を高くする

夜、横になったときに胸やけが起こるという方は、枕(まくら)の高さを少し上げてみてください。ベッドの頭側を10〜20cmほど高くする方法もあります。重力が働くことで胃酸が食道へ逆流しにくくなり、寝ている間の不快感が軽減されるでしょう。

運動習慣を身につける

ウォーキングや軽いジョギングなどの有酸素運動は、胃腸の働きを整え、体重管理に役立つと考えられます。特に肥満傾向の方は、適度に運動しながら体重を落とすことで、胃への圧力を減らすことが期待できます。ただし、腹筋や重量上げのように腹部へ強い力をかける運動は、逆流を助長する恐れがあるため注意が必要です。

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逆流性食道炎の再発防止は定期検診が有効

逆流性食道炎は再発しやすい病気といわれます。一時的によくなっても、生活習慣が元に戻れば再び胸やけやのどの違和感などが現れてしまうでしょう。そこで大切なのが、かかりつけ医を持つことや、定期的に胃の内視鏡検査を受けることです。

内視鏡検査では、食道や胃の状態を直接見られるため、もし炎症が進んでいればすぐに治療の手段を考えられます。早期であれば、お薬で胃酸の量を調整できるケースも多いので、「症状がそこまでひどくない」という方でも安心のために検査を受けてみるといいでしょう。

今すぐ内視鏡検査を検討すべき3つのサイン

以下の症状がある方は、すでに逆流性食道炎になっていたり、他の疾患が潜んでいたりする可能性があります。速やかに内視鏡検査を検討するようにしましょう。

  • 週に2回以上の胸やけ・呑酸(どんさん)が続く

「週に何度も胸やけを感じる」という方は、思った以上に食道がダメージを受けているかもしれません。

  • 食べ物が飲み込みにくい(嚥下障害)

食道がはれていたり、傷ついていたりする可能性があります。放置すると症状が進むおそれがあるでしょう。

  • 胃痛・嘔吐(おうと)・体重減少がみられる

逆流性食道炎だけでなく、胃や食道に関するほかの病気が隠れていることも考えられます。体重減少は特に見逃しがちなので要チェックです。

まとめ

胸やけやのどの違和感があるとき、「ちょっと休めばよくなるだろう」と自己判断で放置している方は少なくありません。しかし、食後すぐに横になる、飲酒・喫煙を続ける、暴飲暴食する、お腹を締め付ける といった習慣が積み重なると、逆流性食道炎はどんどん悪化するかもしれません。

一方で、ガムを噛む、枕を高くして寝る、軽めの運動をするなど、小さな対策を積み重ねるだけでも症状が軽くなることがあります。さらに、定期的に内視鏡検査を受け、専門家のアドバイスをもらうことで、再発を防ぎやすくなるでしょう。

もし「胸やけがなかなか治まらない」「最近食後のムカムカが増えている」と感じたら、できるところから生活習慣を改善してみてください。同時に、早めに医療機関を受診して、安心して食事や睡眠を楽しめる日々を取り戻しましょう。

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