
ハイビジョン内視鏡での早期食道がんの内視鏡画像ですが、僅かに血管の走行の途切れなどから認識できるぐらいの「粘膜の凹凸を伴わない微細な病変」です。

NBI(狭帯域光観察)と呼ばれる特殊光による内視鏡画像です。通常の食道粘膜は緑色として映し出されますが、食道がんや炎症を伴う部位は茶色の領域として認識できます。当院の内視鏡スコープは通常光とNBIをスイッチ一つで切り替えることができます。

ルゴールと呼ばれる特殊染色での内視鏡画像です。ルゴール染色では通常の食道は茶色に染まりますが、食道がんや炎症の部位は白っぽく色がぬけます(ルゴール不染帯と呼ばれます)。


進行食道がんの内視鏡画像です。このように凹凸がはっきりするようになって初めて、胃レントゲン検査でようやく認識できるようになりますが、自覚症状はないことがほとんどです。

ハイビジョン内視鏡の近接像ですが、日常生活で摂取する食事での食物が通るぐらいのスペースがあれば、自覚症状はまず出ないことが多いです。食道がんのリスク要因である喫煙・大量の飲酒が原因と推測されます。このように食道がんが進行してしまうと、当然内視鏡治療は行えず、放射線治療+抗がん剤、外科的手術となります。食道がんの外科的手術は開胸といって、胸を大きく開けて行わなければならず、かなり体に負担の大きな手術となってしまい、術後の縫合不全(縫い目が上手くつながらないこと)や肺炎で亡くなる方も多いと言われています。


胃食道逆流症(逆流性食道炎)の内視鏡画像です。胃食道逆流による食道腺がんは欧米人に多い傾向にありますが(肥満との関係が大きく関与していると思われます)、食道への胃酸や食べ物などの逆流による刺激で発生頻度が上昇すると言われています。