内視鏡専門医が薦める
知って得する健康の話
HEALTH STORY
痛み止めを使いすぎていませんか?
痛み止めによる「NSAID潰瘍」に要注意です!!
NSAID潰瘍とは、非ステロイド性消炎・鎮痛剤(Non-steroidal anti-inflammatory Drugs:NSAID)の使用により発症する消化性潰瘍のことです。
解熱目的や痛みや炎症を抑えたりする目的で使われるNSAIDを使用し続けると、胃炎や胃潰瘍が起こることがあります。
最近では、NSAID潰瘍の知識が広がりNSAIDを使用する際には胃薬を一緒に処方する医師が増えてきましたが、まだまだ発生率は高いです。
次のような方は注意しましょう。
・消化性潰瘍の既往
・NSAIDの重複使用
・高用量のNSAID服用
・抗凝固薬の併用
・高齢者(65歳以上)
・ピロリ菌感染
・副腎皮質ステロイドの併用
症例は80歳代の男性です。腰痛のため、痛み止めの一種であるボルタレン座薬を使用していましたが、胃薬は処方されていませんでした。また、胃潰瘍の既往もありました。
ピロリ菌は除菌済みでした。
食欲低下、ふらつきを認め、胃内視鏡検査を行いました。
多発する出血性胃潰瘍を認めました。潰瘍には血管が露出していて、じわじわと出血していました。このまま出血が続くと命の危険があります。クリップを用いて止血術を行いました。
その後、近隣の大学病院に入院し、点滴・輸血療法を行い無事に退院になりました。
NSAIDを長期的に使用する場合は、胃薬が必要か担当医に聞いてみましょう。
その後、近隣の大学病院に入院し、点滴・輸血療法を行い無事に退院になりました。
NSAIDを長期的に使用する場合は、胃薬が必要か担当医に聞いてみましょう。
