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食道がん初期症状とは?喉や食道の違和感は検査が必要?

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みなさんは、喉のつまりや食道の違和感を覚え食道がんではないか?と不安に思ったことはないでしょうか。

こういった喉のつまりや食道の違和を感じる人は特に30-60歳代の女性に多く、ほとんどの方が、「耳鼻科に行ったが異常なしといわれた」「他院で逆流性食道炎かもしれない」と話されます。

実際に胃カメラ検査を行うと内視鏡的には異常所見が無く、「咽喉頭異常感症」と診断されることが多いです。

胃カメラ検査後に異常なしと診断されると、多くの方が安心して症状が無くなることがあります。

 しかし食道がんの初期は自覚症状がないことがほとんどです。がんの進行に伴って食事の際のつまり、違和感のような症状が現れることがあります。

初期症状を見逃さず胃カメラ検査へのきっかけにすることで、食道がんの発見が少しでも早くなることもあるのです。

今回は食道がんの初期症状やチェックの仕方についてご紹介します。

1. 食道がんとは

喉の付け根から胃の入り口までをつなぐ、約25cmの細長い消化管が食道です。この部位にできたがんを食道がんといいます。

食道がんは、発症してすぐの段階では自覚症状がないことが多く進行していくことで徐々に症状が現れます。その多くが、喉や食道のつまった感じや違和感です。

日本人の場合多くは、食道の中央あたりや胃とのつなぎ目に近い下部食道にがんが発生します。日本人でみられる食道がんの90%以上は、この食道壁の一番内側の粘膜上皮である重層扁平上皮から発生する扁平上皮がんです。食道がん(食道扁平上皮がん)は60~70歳の男性に発症しやすいと言われています。食道と胃のつなぎ目のバレット食道から発生する食道腺がんは日本では約10%程度と少ないですが、欧米では食道がんの50%以上を占めると言われています。

食道は、内側から粘膜層・粘膜下層・固有筋層という構造になっており、一番外側には外膜という薄い膜があります。

粘膜層の細胞が炎症をきかっけとする遺伝子変異が生じた結果、正常の細胞がトラブルを起こし、細胞ががん化していき増殖しながら外膜を突き抜け食道以外にも気管や大動脈へ直接広がることを「浸潤」といいます。

食道の周りには、心臓・肺・大動脈など体にとって重要な器官が集まっており、直接隣接する臓器に浸潤してしまうと遠隔転移がなくても手術治療が困難になることもあります。

食道がんを早期に発見することで、他臓器への浸潤や転移を避けることができるだけではなく完治することも目指せます。

しかし初期の段階では、食道がん特有の症状がないため、ある程度進行してから違和感や食事のつかえ感、食事摂取困難の症状から発見されることも多くあります。

もし、食道がん発見につながる症状が出た場合には、迷わず胃カメラ検査を受けましょう。

どんな症状を見逃してはいけないのかを理解しておくことで、迅速に対応できるようになります。

2. 食道がんの初期症状

では、見逃してはいけない症状とは何なのでしょうか。気になる例をまとめてみました。

2-1. 食べ物や飲み物がしみる

食道がんの初期症状として、口から摂取した食べ物と接触することで「しみる」という感覚になることがあります。

とくに熱いものや塩味や酸味のある刺激物が、食道を通過したときに「しみる」と感じることが多いです。「胸の奥が熱く感じる」などと表現する場合もあり、これを灼熱感といいます。

人によっては「チクチクする痛み」として感じることもあり、嚥下時痛といいます。

また、食べ物を飲み込んだときに感じる「チクチク」や「しみる」感覚は、食べ物が食道を通過できるほどの大きさの時に多く現れる症状です。

食道がん以外では食道の壁の炎症や食道潰瘍なども原因になります。

食事中に嚥下時痛や灼熱感を自覚するときは医療機関で調べてもらうことが重要です。

つまり、食道がんでも初期の段階で現れることがあるためこのサインを見逃さないでください。

2-2. 食べ物がつまる感覚がある

食事など食べ物を口にした時に、喉や食道に食べ物がつっかえる、つまる感覚がある時には、食道がんができていることがあります。

食べ物の通り道である食道が、食道がんによって塞がれてしまい食べ物がそこで留まってしまうことで起こる感覚です。

これは、食道がんがある程度大きくならないと出てこない症状でもあります。

しっかり咀嚼できないで、飲み込んだ食べ物や肉など大きいまま飲み込んだときに感じやすいです。それに伴い、食べたものを嘔吐してしまうこともあります。

食事がつっかえる感覚や嘔吐することで、次第に食事量が減りそれに伴い体重も減少します。また、がん細胞が体内の栄養分を取り込みエネルギーを消費するため体重減少が加速することもあるのです。

2-3. 声がかすれる

声がかすれる場合、多くの人が耳鼻科を受診します。ただ、食道がんが原因で声がかすれている場合には精密検査をすすめられ、そこで食道がんがかなり進行した状態で発見されるケースもあるのです。

声は声帯を震わせることで出ますが、声を出すための神経である反回神経が食道の隣にあります。食道がんができ、周りのリンパ節に転移すると反回神経が麻痺してしまい脳からの指令を上手く伝えることができなくなるのです。

そのため声を出すための声帯も上手く震えなくなり声がかすれたり、出にくくなります。

声のかすれによって違和感を覚え、食道がんの発見につながるケースもあります。声の出しづらさやかすれがある場合には、耳鼻科を受診し異常が見つからない場合には消化器内科を受診することを覚えておくといいでしょう。

4. どんな人が食道がんになりやすい?

食道がんの症状が出てから検査受けた場合、見つけられるがんの約80%が進行がんです。

食道がんになりやすい人がどんな人なのかを把握しておくことも大切になります。普段の生活習慣を見直すきっかけになるだけではなく、初期症状が出たときにも迅速に対応ができるでしょう。

4-1. 女性より男性の方がリスクが高い

食道がん患者は男性が女性の5~6倍です。年齢では、男女ともに40歳を境に急激に増えます。

それ以外にも熱い飲みものや辛いものなどの刺激物が好きな場合や、肥満の場合に食道がんのリスクが高くなるといわれています。

5. 食道がんの原因

食道がんの原因もさまざまな研究からわかっています。原因を知っておくことで、食道がんになるリスクを低くすることも可能です。

5-1. 飲酒

90%以上という高い確率で、喫煙と飲酒が食道がんの危険因子とされています。両方とも好んでいる方は注意が必要です。

アルコールが分解されることでできるアセトアルデヒドは、発がん物質とされており世界保健機構(WHO)でも認定されています。とくに飲酒すると顔が赤くなる方は「フラッシャー」と呼ばれ、「ALDH2」というアルデヒド脱水素酵素の働きが弱いためアセトアルデヒドを分解しにくい体質である場合が多く、食道がんのリスクが高くなるといわれています。特に少量の飲酒ですぐに顔が赤くなっていた人が、だんだん飲酒に慣れて飲酒量が増えると、食道がんができる可能性が何十倍も高まると言われています。

日本人の約44%は、ALDH2を持たないか、その働きが弱くアセトアルデヒドが貯まりやすいのです。この遺伝的性質は、日本人などのモンゴロイド特有のもので、アフリカ系やヨーロッパ系の人種には見られません。

5-2. 喫煙

たばこの煙には、4000種類以上の化学物質と250種類以上の毒物、発がん物質が含まれています。

たばこを吸わないから安心ということはなく、周囲に喫煙者がいることで副流煙を吸ってしまうのです。たばこを吸わなくても、他者の吸ったたばこの煙を吸うことを「受動喫煙」といいます。受動喫煙は、自分が喫煙者でなくともたばこを吸っているのと同じ状態です。

例えば20年間1日20本たばこを吸った人の場合、吸わない人の約5倍のリスクになるといわれています。

5-3. ピロリ菌

ピロリ菌に感染していない人は、胃酸の分泌が多いといわれています。胃の本来の働きからつくられる胃酸が多いことで、逆流性食道炎による炎症が持続することで生じる食道バレット腺がんになりやすいと考えられているのです。バレット食道がんは、欧米型のがんといわれていて、ピロリ菌の感染が低い若い世代に今後増加してくることが予想されている食道がんの一つです。

胃がんリスクの高いピロリ菌を除去したことで、胃の働きが正常化し、食事量の増加やストレスなどにより胃酸分泌が多くなることがあります。胃酸逆流により逆流性食道炎が生じて食道粘膜に慢性的な炎症を起こすパレット食道という状態になりやすくなるのです。胃酸によってただれた粘膜は、胃がんのリスクも高くなります。

5-4. 過去にがんを患ったことがある

咽頭・口腔・舌などにできるがんを患った場合や、治療中の場合にも食道がんのリスクが高くなります。

食道の粘膜と口腔咽頭の粘膜は同じ重層扁平上皮であるため、食道がんは、耳鼻科領域のがんと重複しやすいという特徴があります。

そのため食道がん以外の治療中のかたは、かかりつけ医に相談し早めに胃カメラ検査をするなどの対応をするとがいいでしょう。当然、食道のスクリーニング検査(胃カメラ)を定期的に行なうことが必要です。

6. 食道がんと似た症状の病期もある

食道がんかと思って内視鏡検査を受け違う病気が発見されることがあります。どの病期も食道がんの症状に似ているためです。

6-1. 逆流性食道炎

逆流性食道炎は胃酸が逆流することで、食道が炎症を起こしてしまう病気です。

そのため、「胸やけしているような感覚」や「胸が痛い、熱い」といった症状を訴える患者様が多くいます。それ以外にも「喉のイガイガ感」「喉のひっかかり」を訴える場合もあります。

6-2. 食道潰瘍

逆流性食道炎や抗凝固剤などによる薬剤性、ウイルス感染症が原因で発症することが多く、食道に生じた潰瘍ができることから食道潰瘍といいます。

食道潰瘍を発症すると、食道に食べ物が通過したとき胸の痛みが現れることがあり、吐き気などの症状が現れます。

嘔吐の症状もあり、その血液を吐く場合もあります。

6-3. 食道カンジダ

喉の違和感を感じる女性

内視鏡検査で、白い点状のものが発見され食道カンジダと診断されます。

食道カンジダになると無症状の場合もありますが、食べ物の飲み込みにくさやつまり感が現れることがあります。食道カンジダは症状が出ない場合もあり、自然治癒することも多いです。

6-4. 咽頭がん

咽頭は、鼻の奥から食道の手前までの部位を指します。口を開け見える位置にあるのが中咽頭、上部にあるのが上咽頭で、下部にあるのが下咽頭です。

症状は喉の痛みが初期に多くみられ、次第に「食べ物が飲み込みにくい」「出血」「息苦しい」などの症状へと進行します。また発声部位にあたるため声が枯れることもあります。

7. 発見しにくく完治しづらいのが食道がん

食道がんは、発症初期には無症状で、思い当たる症状が出たときには、進行がんになっていることが多いです。喉や食道に「チクチク」「しみる」感覚が現れるのも人によって異なります。症状が出ないまま進行してしまうこともあるのが、食道がんです。

末期の食道がんは、リンパ節・肺・肝臓・骨・脳などに転移がみられます。他の臓器にがんが転移した場合、全てのがんを取り除くことは困難です。そのためがんの完治ではなく、進行を遅らせる治療が主になります。

レントゲン造影検査では、初期の食道がんを見つけることはできるのでしょうか? 初期の食道がんのほとんどは平坦もしくはわずかな陥凹を呈する病変です。かなり進行した食道がんであれば検出できる可能性が高いですが、初期の食道がんはレントゲン検査ではほとんど見つからないと言っても過言ではありません。

食道がんを早期で発見するためには、内視鏡検査を定期的に行うことがもっとも有効な方法です。

7-1. 内視鏡検査(NBI拡大内視鏡)とは

内視鏡検査(NBI拡大内視鏡)は、近年開発された新しい内視鏡技術です。

NBIは、光の波長を制御することで粘膜表面の血管やわずかな粘膜変化などが茶色く強調されます。これまで発見が困難といわれていた、初期の小さな食道がんも発見することができるようになったのです。初期の食道がんは、わずかな発赤しか示さないことが多く、見逃されてしまうこともありました。

しかしNBIの登場により、食道がんの早期発見率が向上したのです。NBIを用いた内視鏡検査・胃カメラ検査が可能な消化器内科を受診することで、より早期の発見が期待できます。

8. まとめ

食道がんは、早期で発見できれば5年生存率は75%以上あります。

ただ、食道がんができても初期の段階では自覚症状はほぼなく、違和感が出た時には進行しているのが特徴です。

高精度の内視鏡検査を行うことで、より早期に食道がんが発見でき治療することが可能になります。また、40歳からの食道がんリスクは男女とも高くなり、喫煙や飲酒が習慣化されている男性の場合はさらにリスクが高くなることを認識しておきましょう。

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