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逆流性食道炎の食事のコツとは?刺激物を避けるだけじゃないって本当?

  • 食生活

胸やけや胃もたれなどの症状から消化器内科で胃カメラを受けて、逆流性食道炎の診断をされた場合、3つの治療があります。

3つの治療とは、食事療法・理学療法・薬物療法です。そして大切なのが食事療法とともに生活習慣の見直しを行うことです。

食事療法を理解し、始めに食事の仕方や生活習慣の見直しをすることで、薬物療法なしでも症状が軽減することもあります。

そこで今回は、逆流性食道炎と診断された場合の食事の見直しや生活で気を付けることを説明します。また、逆流性食道炎の治療法である理学療法や薬物療法についても触れていきます。

1. 逆流性食道炎とは

逆流性食道炎とは、食道に胃酸が逆流することで食道と胃のつなぎ目に炎症を起こし、胸やけや喉の奥に苦みや酸っぱさを感じる胃酸逆流症状を起こす疾患です。

食道に胃酸が逆流する疾患をまとめて「胃食道逆流症」といいます。

胃食道逆流症は、胃内視鏡検査(胃カメラ)で食道粘膜に炎症が確認できるものとできないものの2つに分けられます。

胃酸が食道に逆流している場合でも、炎症が無い場合は非びらん性胃食道逆流症となります。

胃酸が食道に逆流することで食道粘膜に炎症がある場合は、逆流性食道炎と診断されます。

2. 逆流性食道炎の治療とは

逆流性食道炎の治療でもっとも大事なのは、食事療法です。軽度の症状の場合は、食事内容や食事の仕方、生活習慣の改善をすることで症状が抑えられることがほとんどです。

逆流性食道炎の治療方法は、以下の3つの順に重要になります。

1. 食事療法
2. 理学療法
3. 薬物療法

多くの医療機関でも、食事療法・理学療法・生活療法・薬物療法を症状や患者の年齢や体質によって組み合わせ治療していきますが、最初に取り組むのは食事療法です。

それぞれの治療方法を知っておくと、専門医からの説明も理解やすくなるでしょう。

3. 逆流性食道炎食事療法とは

食事を含めた生活習慣を見直すことで逆流性食道炎の症状を軽減することが可能です。

以前は辛いもの、酸っぱいもの、しょっぱいものなどの刺激物の摂取を控えることがもっとも大切といわれていましたが、いくつかの研究があり、実は量のコントロールが最も大切ということが分かりました。

具体的には、食事の量を毎回7割〜8割にコントロールすることが大切です。

最初は小さくなっていた胃袋が、食べ物が入っていくうちにどんどん膨らんでいきます。

たくさん食べ過ぎて、食べ物が胃の上部まで上がっていき、食道に届くまで積み重なると良くありません。

食べ物が多いと、胃と食道のつなぎ目を超えてしまい食道にまで食べ物が到達すると、積み重なった食べ物の上にできる食事の刺激によって分泌された胃酸の蓋が逆流性食道炎の原因になるのです。

つまり、食べ過ぎて食道まで積み重なった食べ物が原因で胃酸分泌が多くなり、一番口側に蓋をされた胃酸により、食道から咽頭、口の中まで胃酸の逆流を引き起こすと言われています。

以前は、刺激物を控えることが一番大切であると専門医から指導されていたと思いますが、近年は、まずは食べ過ぎることを抑制し、さらに刺激物を回避することを指導されるようになりました。

くり返しますが、一番大切なことは適切な食事量のコントロールが重要で、目安としては今までの7~8割程度に減らすことが重要です。

3-1. 食事の仕方を見直す

食事量のコントロールは重要な見直しになりますが、他にも注意したいことがあります。下記にまとめてみました。

・規則正しい時間に食事をとる
・ゆっくり食事をする(30分を目安にする)
・しっかり食べ物を噛む( 一口30回噛む)
・寝る直前に食事をしない
・食後の入浴は控える

食事の時間が決まっていると、胃も食事の前に食べ物を受け入れる準備をするようになります。

食べ物が胃に入ってきたときに、消化もスムーズに行われるようになるため胃酸の分泌量の調整も問題なく行われるのです。

食事をする時間がなく10分以内で終了するという場合には、胃に負担がかかる食事の仕方といっていいでしょう。

食べ物をしっかり噛むことで、唾液が分泌されここで消化しやすい形になります。固形物のまま胃に入ってくると、胃での消化に時間がかかるため、胃酸が多く分泌されやすくなるのです。

食べ物が胃の中で消化されるまでには、約4時間かかるといわれています。食事をしてすぐに横になると消化中の食べ物が胃と食道の境目に接する状態になるため、胃酸の逆流による炎症のリスクが高くなります。夕食は出来る限り就寝3~4時間前にとり、食後はすぐに横にならないようにしましょう。

また食後すぐの入浴は、血流が全身に広がるために栄養を吸収するために必要な消化管への血流が相対的に少なくなり、消化が悪くなることがわかっています。消化する時間がかかることにつながるため、胃酸が多く分泌されるのです。入浴は、食後1時間以上空けるようにしましょう。

3-2. 刺激物を避ける

最近まで、逆流性食道炎の食事療法として真っ先に指導されてきたのが刺激物を避けることでした。刺激物とは、胃の粘膜を刺激し胃酸分泌を高める食品になります。とくに胃酸分泌を高める食品は以下のものです。

3-3. 薬物療法

上記の表に示したものは、胃酸を多く分泌させます。日頃から食べている場合は、少しずつでも減らしていくことで症状の改善が期待できるでしょう。

また、症状がひどい場合には、柑橘類などを食べると症状が悪化することもあります。

4. 理学療法

理学療法とは、運動機能の回復を目的とした治療法のことで、日常生活動作(ADL)の改善を図ることで、逆流性食道炎の症状の緩和を目指すこともあります。

逆流性食道炎の症状を抑えるには、日頃している姿勢や服装の見直しも効果的です。理学療法的視点から逆流性食道炎の症状を緩和するために気を付けたいことをまとめてみました。

・腹部を締め付ける衣類を付けない(ベルトやコルセットなど)
・強い腹圧がかかる運動は控える
・前かがみや猫背の姿勢を治す
・重い物を持たない
・寝る時は頭を少し上げた状態(上体を高くする)
・横向きで寝る場合は左側を下にする

上記は、腹部の圧迫を防いだり胃が横になったときに胃酸が出にくい姿勢です。姿勢に少し気を配るだけで、胃酸が逆流しにくくなることもあります。

逆流性食道炎の治療では、食事の見直しや生活習慣の改善がもっとも重視され治療の柱になります。しかし胃酸の分泌量を抑えるために効果的ではあるものの、即効性がない場合も多いです。

専門医によっては、症状が緩和するまでの間に食事療法と並行して薬物療法を実施することもあります。

苦痛を和らげ根本的な原因を軽減するサポートとして利用されるのが、薬物療法です。

主な薬は4種類あります。

4-1. 胃酸を抑える薬

逆流性食道炎の治療でもっとも使われる薬で、胃酸が逆流する量を減らし炎症を起こしにくくする効果が期待できます。

主なものは下記の通りです。

・H2ブロッカー
・プロトンポンプ阻害薬(PPI)
・カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)

上記の薬は、どれも胃酸の分泌量を抑える作用があり、症状を和らげるだけではなく即効性もあるため、多くの専門医が最初に処方します。

4-2. 消化管機能を改善する薬

食道や胃の運動を改善することを目的に使用されます。

食道の機能が改善することで、胃酸が食道に逆流してきても、その胃酸を押し戻す力が強くなり症状を緩和させます。また胃の働きが改善することで、胃で分解された食べ物が小腸へ上手く流れるようになります。

消化管機能改善薬は、副交感神経を調整する神経物質であるアセチルコリンを調整する薬です。逆流性食道炎(びらん性胃食道逆流症)だけでなく、胃酸分泌抑制剤が効きにくい非びらん性胃食道逆流症にも効果があります。

4-3. 胃酸を中和する薬

胃酸中和薬は、胃で分泌された大量の胃酸を中和することで、食道の炎症を防ぐことを目的とした薬です。

市販の胃薬にも使われている成分が配合されています。主としての役割を期待するというよりは、他の薬のサポートとして処方されることが多いです。

4-4. 食道の粘膜を保護する薬

胃酸の成分は、塩酸です。手足に塩酸がかかるとやけどするのと同じように、食道の粘膜が胃酸に触れることで、炎症(びらんやただれといったやけど)を起こします。それによって、胸やけや痛みなどの症状が現れるのです。

食道粘膜保護薬は海藻のぬめり成分でできているため、ドロッとした液体によって食道が直に胃酸に触れないよう保護してくれます。

5. まとめ

逆流性食道炎の症状を緩和するためには、まずは胃酸が逆流しにくいような食生活や生活習慣を心掛けることが大切です。腹部の圧迫するような衣類や運動も、腹圧がかかることにより胃も圧迫されるため胃酸が逆流しやすくなります。

肥満傾向の方は腹部を圧迫されやすいこともありますし、高齢者の方は骨粗鬆症によって前かがみの姿勢になっている場合は症状が改善しにくいこともあります。

逆流性食道炎の治療は、根本的に食事療法、理学療法で症状を緩和することが一番です。ただ緩和するまでに時間がかかる場合も多いため、消化器内科専門医と相談し薬物療法を行い、食事療法、理学療法と内服による薬物療法を併用しながら改善に努めていくのもよいでしょう。

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