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潰瘍性大腸炎とは?症状と予防のために気をつけたい注意点を解説

  • 疾患・症例

皆さんは、潰瘍性大腸炎という病気をご存じでしょうか?

食の欧米化に伴って、大腸がんに罹患する方が増加傾向にありますが、気をつけたい大腸の病気はがんだけではありません。

潰瘍性大腸炎は、下痢や腹痛が続き、悪化すると大腸を摘出する必要がある病気です。お腹の不調を長期的に感じている方は、自身の症状を見直してみましょう。

また、潰瘍性大腸炎ははっきりとした原因が解明されておらず、根本的な治療法も確立されていない病気ですが、潰瘍性大腸炎を予防するために心がけたいいくつかの注意点があります。

この記事では、潰瘍性大腸炎とはどのような病気であるのか、またその症状、予防するために気をつけたい点について解説します。

1. 潰瘍性大腸炎とは?

便座に座る女性

潰瘍性大腸炎は、国が指定する難病の一つです。指定難病とは、原因が明確になっておらず、根本的な治療法が確立していない疾患のことで、現在は300を超える病気が、難病に指定されています。

潰瘍性大腸炎とは、直腸から連続的に、大腸の粘膜の表面に慢性の炎症や潰瘍を引き起こす病気です。重症化すると、大腸を摘出して小腸と肛門をつなぐ手術や透析が必要になります。

基本的に潰瘍性大腸炎は連続して炎症が起きるのが特徴ですが、最近は連続的に炎症が出ない病変も増えてきています。

潰瘍性大腸炎は、重症化すると炎症が強くなり血便が続いたり、大腸がんの原因になるリスクもあるので早期治療が大切です。

1-1. 潰瘍性大腸炎とクローン病の違い

潰瘍性大腸炎と似た病気に、クローン病があります。どちらも炎症性腸疾患に分類されている指定難病ですが、主たる症状や罹患する年齢層に違いが見られます。

潰瘍性大腸炎は直腸から連続的に大腸内に炎症が広がるのに対して、クローン病は、口から肛門まですべての消化器官で、潰瘍や線維化が見られ、病変があちこちに確認できることが大きな違いです。具体的には下痢や腹痛以外にも、口内炎や関節炎、目の腫れや充血、痔瘻(じろう)などができやすいという特徴があります。

また、クローン病は10代後半~20代と若い世代に多く見られ、男性に多い傾向がありますが、潰瘍性大腸炎は、10代~40代と幅広い年齢層において発症し、男女差はありません。

1-2. かかりやすい人の特徴ってあるの?

科学的根拠に基づいた根拠があるわけではありませんが、潰瘍性大腸炎に罹患しやすい人の特徴として、日々ストレスを受けやすく、生活全般や病気・仕事などさまざまなことを気にする方や神経質な方が挙げられます。

ストレスを受けやすい現代において、誰が罹患してもおかしくない病気の一つといえるかもしれません。

また遺伝的要因も関係しているといわれています。

2. 潰瘍性大腸炎の症状

トイレの模型

潰瘍性大腸炎の症状はいくつかありますが、代表的なものをご紹介します。

·下痢
·血便
·粘液便(どろっとしたゼリー状)
·しぶるような腹痛
·発熱

その中でも特に粘液便については、注意が必要です。症状が継続的にあるにもかかわらずそのまま放置して、重症化するケースが多くあります。症状があればすぐに医療機関を受診し、大腸カメラ検査などを受けましょう。

3. 潰瘍性大腸がんの治療法とは?

男性医師

先にお伝えしたように潰瘍性大腸炎には、根本的な治療法はありません。しかし、さまざまな治療法が取り組まれています。

3-1. 除菌

潰瘍性大腸炎の原因の一つとして、ピロリ菌のような腸内細菌が潰瘍性大腸炎の発症に関係しているのではないかと考えられています。そのため、ATM療法と呼ばれる抗菌剤多剤併用療法が行われるケースがあります。

3-2. 便移植

便移植とは、病気ではない方の便に含まれている腸内細菌を投与する治療法です。内視鏡を大腸の奥まで挿入し、便の提供者の腸内細菌を体に入れます。

3-3. 透析

潰瘍性大腸炎の治療の一つとして、透析のような治療法が行われています。正式には「白血球除去療法」といい、活性化している白血球を取り除き、血液を再度体内に戻す治療法です。

潰瘍性大腸炎を発症すると、白血球の免疫システムが誤作動を起こして自らの腸を攻撃してしまいます。その結果、炎症や潰瘍が引き起こされると考えられています。白血球除去療法の中には、「顆粒球除去」といわれる方法があり、白血球の中の顆粒球のみを除去して炎症を鎮めます。

3-4. 薬剤

潰瘍性大腸炎は、薬物療法が治療の中心となり、大腸の炎症や、免疫異常を抑制する作用をもつ薬の服用や点滴で治療を行います。

腸の炎症を抑制する「5-アミノサリチル酸製剤」や炎症・免疫の働きを抑制するステロイドが用いられるケースが多いです。

この薬物療法で症状の軽減がみられない場合は、免疫の働きをさらに抑制する免疫抑制剤などの薬剤を使用します。

4. 潰瘍性大腸炎は手術をすれば治るのか?

飲み薬

治るというのは、寛解もしくは治療が必要ない状態のことをいいます。そう考えると、手術をすれば必ずしも治るのか?といわれると明確に治るとはいい切れないのが現状です。

潰瘍性大腸炎は、原因が明確になっていないため、さまざまな治療法が行われています。

潰瘍性大腸炎の治療法として炎症を抑える薬が開発されており、薬の服用によって症状が落ち着いている方も増えています。しかし、薬物療法も絶対的な治療とはいえません。

症状が悪化すると出血が止まらなくなり、大腸全体に炎症が広がっていると大腸を全摘出して小腸と肛門をつないだりする手術が必要なこともあります。大腸は全摘出しますが、直腸を少し残すケースがほとんどです。

大腸の働きは大きく2つあります。水分吸収と便を動かす蠕動運動です。大腸は水分を吸収し便を作りますが、この機能がうまく働かないと毎回下痢になります。

5. 潰瘍性大腸炎を予防するために気をつけたい注意点

健康的な和食

潰瘍性大腸炎は、過度なストレスや腸のアレルギー疾患が原因と考えられる場合もあります。そのため、日常生活や生活習慣を見直すことが大切です。

5-1. 食生活

アレルギー疾患と聞くと食べ物との関係性を思い浮かべる方も多いと思いますが、潰瘍性大腸炎と食べ物の関連性は、明確になっていません。

しかし、潰瘍性大腸炎に限らず、乳製品に含まれる「乳糖」や「乳脂肪」はアレルギーを引き起こす場合があります。そのため、潰瘍性大腸炎を発症している場合、乳製品を避けるよう伝える医師もいます。

乳製品を控えた方の中には、症状が軽減したという方も少なからずいます。乳製品のとり過ぎは、大腸がんや前立腺がん、乳がんの原因の一つとして考えられているため、過剰にとることは避けましょう。

また、栄養バランスのよい食事を心がけましょう。潰瘍性大腸炎は大腸が常に炎症を起こしている状態です。そのため、脂肪分の多い食事や消化の悪い食事のような、腸に負担がかかる食事はなるべく避けることが大切です。

また、肉中心の食事をとっている方は、肉よりも魚を多くとるように意識して、野菜を多くとるようにしましょう。厳密な食事制限はありませんが、和食を中心とした献立がおすすめです。

5-2. ストレス解消

現代社会では、何かしらのストレスを抱えながら生活している方が多くいます。そんな状況の中、仕事や人間関係などによって過度なストレスを長期的に受けていると、精神的な負担が大きくなります。

腸は「第二の脳」と呼ばれており、体の働きにさまざまな影響を与える臓器です。腸と脳は「腸脳相関(ちょうのうそうかん)」といわれるほど、密接な関係にあると考えられています。

過度なストレスを受けると、腸にもストレスが影響し腸内環境が悪化したり、自律神経が乱れてしまったりすることも少なくありません。

そのため、腸の状態をよりよい状態に保つためにも、ストレスを溜め込み過ぎないように、自分に合ったストレス解消法を見つけ、上手にストレスを解消しましょう。

6. まとめ

ジョギングをする中高年

潰瘍性大腸炎は、大腸がんと同じように怖い病気の一つです。初期の大腸がんは自覚症状があまりなく、症状が出たときにはかなり進行しています。潰瘍性大腸炎は、慢性的に腸内で炎症が起きて、下痢や血便・粘液便、腹痛などの症状が現れます。

またいつもの症状か、と安易に考えることなく、気になる症状がある場合は早めに医療機関を受診しましょう。

潰瘍性大腸炎は、原因や根本的な治療法が確立されていないため、国の難病に指定されています。だからこそ、日頃から食生活や生活習慣などを見直し、健康的な生活を送るように心がけることが大切です。

体の中は自分の目で見ることはできません。気になる症状がなくても、毎年大腸内視鏡検査などの健康チェックをすることが大切ですので、自分の体をチェックするように心がけましょう。

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