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逆流性食道炎は薬で治せる?薬の使い分けとは?

  • 疾患・症例

逆流性食道炎の治療には、食事療法、理学療法、薬物療法の3つがありますが、一番初めに行うのは、食事療法と理学療法です。それでも症状が改善されないときにはじめて、薬物療法が選択されます。

もし、薬物療法を行う場合には、どのような薬を使うのか、どのような効果が期待できるのか気になる方も多いかと思います。

そこで今回は、逆流性食道炎の薬物療法について解説します。

1. 逆流性食道炎の薬物療法とは

薬のイメージ

逆流性食道炎において、薬物療法は第一選択ではなく食事療法と理学療法でも治らない場合に踏み切る治療方法です。なぜ第一選択ではないかというと、薬物療法を行えば逆流性食道炎の症状はほとんど無くなることが期待できるからです。しかしながら、逆流症状の原因となっている食事や姿勢などの根本的な原因が解決しないと、薬物療法をやめたらすぐに症状が再燃してしまう場合が多いのです。

逆流性食道炎における基本的な薬物療法は、胃酸の分泌抑制を中心に行います。

胃酸分泌抑制剤の主なものは、下記の3つです。

・H2ブロッカー(H2 blocker)
・プロトンポンプインヒビター(PPI)
・カリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)

以前はH2ブロッカーが治療の中心でしたが、より強力に胃酸分泌を抑制するプロトンポンプインヒビターやカリウムイオン競合型酸ブロッカーが発売されてからは、この2つの治療薬が主流になっています。

この2つの治療薬の違いや特徴を理解すると、自身の逆流性食道炎の症状に合ったものを選択することも可能でしょう。

1-1. プロトンポンプインヒビター(PPI)の特徴

プロトンポンプインヒビター(PPI)は、ランソプラゾール(商品名:タケプロン)、ラベプラゾール(商品名:パリエット)、オメプラゾール(商品名:オメプラール)があり、その中でも、エソメプラゾール(商品名:ネキシウム)は、オメプラゾールをもとに改良された一番新しいPPIであり、もっともシェア率の高い治療薬です。

ネキシウム(PPI)には、酸の分泌をしっかりと抑制する効果があります。従来の酸を抑える代表的な薬は、市販されているガスター10(ファモチジン)ですが、それよりも胃酸抑制力が強いのが、ネキシウムです。

ガスター10(ファモチジン)が約20年前に出てきた薬に対して、ネキシウムはもっとも新しい世代のプロトンポンプインヒビター(PPI)です。

1-2. カリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)の特徴

カリウムイオン競合型酸ブロッカー(P-CAB)は、最も胃酸を抑える力が強くそして効果が安定し、すぐに効果が出始める薬剤です。胃酸を抑制する際の作用機序が、PPIとは異なります。

胃酸を抑える方法として典型的な特徴は、効果が出はじめる時間です。効果が安定するまでにかかる時間がネキシウム(PPI)では2~3日なのに対し、タケキャブ(P-CAB)は内服後3~4時間で安定します。

タケキャブ(P-CAB)は、ネキシウムに比べると即効性があり、より強力に胃酸分泌を抑制できると考えてよいでしょう。

1-3. ネキシウムとタケキャブの違い

同じ胃酸分泌抑制剤であるネキシウムとタケキャブの違いを、表でまとめます。

ネキシウム(PPI)タケキャブ(P-CAB)
胃酸抑制力(一般量)20mg10mg
効果が安定するまでにかかる時間3~4日3~4時間

胃酸抑制力は、ネキシウム20mgとタケキャブ10mgがほぼ同じ効果です。両者を比較すると、胃酸抑制力はほぼ同じでも、効果が安定するまでにかかる時間には、大きな差があります。

この効果が出るまでの時間の違いを使い分けるのが、私たち消化器科専門医にとっては重要です。そして、この薬を上手に使い分ける方法として、オンデマンド療法が挙げられます。

2. オンデマンド療法とは?

手にのせた薬

オンデマンド療法とは、症状があるときにしっかり薬を服用し、よくなったら中止するという治療方法です。胃酸が多くなる環境について考えることを目的として行う治療法です。

逆流性食道炎を発症し症状を抑えるために薬物療法を受けている方の中には、治療薬が効いているのか効いていないのかわからないままに、処方されてるのでずっと服用を続けているケースがあります。

オンデマンド療法は、逆流性食道炎の症状の強さによってネキシウムとタケキャブを使い分け、いずれは薬物療法を止めるのが目的です。

2-1. 長期服用を避けるために行うオンデマンド療法

オンデマンド療法の基本は、症状が強くて日常生活に支障が出てしまう場合で胃酸をコントロールしたいときに、その方の状況に合わせてネキシウムかタケキャブのどちらかを処方します。

たとえば、胃酸が出やすくなるような脂っこいもの、お酒などの刺激物(甘いもの、酸っぱいもの、辛いものなど)を摂取したときや食事の量が多くなったとき、ストレスによって胃酸が出やすくなっているときなど、それらをコントロールしたいときに即効性のタケキャブ(P-CAB)10mgを処方します。

一方で、症状が以前からずっとあり長引いている方であれば3~4日で効果が出るネキシウム(PPI)20mgを処方します。

内服を止めるタイミングは、内視鏡検査で確認などはせず、その方の自覚症状でやめることができます。つまり、オンデマンド療法は、症状があるときだけ薬を服用しよくなったら中止することの繰り返しになります。

服用する薬をネキシウムにするのかタケキャブにするのかは、その方が訴えている症状の長さや期間を考慮した上で、選択します。タケキャブ(P-CAB)はすぐに効いてすぐ止められるため短距離選手のイメージ、ネキシウムは飲み続けて効果が安定するため長距離選手のイメージを持っていただけるとわかりやすいでしょう。

3. オンデマンド療法をうまく取り入れるためには

薬を飲む高齢男性

患者さまの中には、胃酸の分泌を抑え症状を緩和するための薬を止めることを受け入れられる方とそうでない方がいます。

オンデマンド療法の方法や理論が理解できたとしても、薬を止めたら「症状が強くなってしまうのではないか?」「またあのつらさが戻ってくるかもしれない」と不安になるためです。

確かに薬を服用し続ければ、症状は抑えられます。専門医としては、その方が苦しんできていることも理解しているため無理強いすることはできません。

いきなり内服薬を止めるのではなく、例えば1日おきに内服してみるとか、徐々に内服する薬を減らしていく工夫を処方医の先生と相談して行っていく事が非常に重要です。

3-1. 心と体を徐々に慣れさせることが大切

突然薬を止めることに抵抗がある場合には、その方の心(気持ち)も考慮し「薬の服用を1日おきや2日おきにしてみる」ことを提案します。つまり、通常の薬の量を半分にしてみるのです。

薬の量が半分になっても、症状が現れなければ「薬がなくても症状が出てこない」という安心感が得られます。安心感が得られれば、薬の服用を止めることもできます。また、手元に薬があればいつでも再開できる環境を作っておくことも重要です。

4. 逆流性食道炎において気を付けたいこと

男性医師

薬物療法を選択する前に食事療法や理学療法を行い、症状緩和を目指すこともお伝えしました。また、薬物療法を選択した場合にもどんな治療薬があるか、どんな違いがあるのかを解説しました。

ここからは、逆流性食道炎において気を付けたいことや知っておきたいことについて解説します。

4-1. 胃酸の抑えすぎもよくない

ネキシウムに比べタケキャブは、胃酸を抑える力が強いためタケキャブ20mgを飲み続けている場合は注意が必要です。

タケキャブ20mgは市販されている胃酸分泌抑制剤の中で最も強力な薬剤です。どのくらい強力かというと、逆流性食道炎でもっとも重症に分類されるロサンゼルス分類Grade D(食道の全周性に発赤がある状態)において、タケキャブ20mgを2週間内服するだけで、その発赤がほとんど改善すると考えられています。

一方で胃酸を抑えすぎてしまうと、胃のぜん動運動が悪くなってしまうというデータがあります。胃のぜん動運動が悪くなれば胃酸が出やすい環境を作り出してしまうため、できればタケキャブ20mgの長期服用は止めたほうがいいでしょう。

ただし、タケキャブ20mgでしか胃酸逆流症状が抑えられない方もいますので、処方医の先生とよく相談のうえで内服を続けるかどうかを決定してください。

4-2. 胃の調子と腸の調子は関係する

胃と腸はつながっているため、胃の調子が悪くなれば腸の調子も悪くなります。

胃が本来の働きができない状態であれば、腸に負担がかかり悪玉菌が増えることも考えられ、それによってガスでお腹が張ったり便秘になる恐れがあります。

逆流する胃酸によって生じるさまざまな症状を抑えるために薬物療法を行いますが、胃酸を抑えすぎることも将来的に胃にとってよくありません。胃酸は、適度に短期間だけ抑え、胃本来の働きである消化という機能を保つことが重要です。

4-3. 問診では事細かく伝える方がいい

逆流性食道炎の症状は、目には見えません。医師たちは、その方の訴えによってどんな治療法が適しているのか、どんな薬を処方したらいいのかを決めています。

初診のときに症状について次のことを医師に伝えることをおすすめします。

・いつから
・どのような時に
・どのくらいの強さか
・どのタイミングで

具体的になればなるほど医師は、明確に症状をイメージできます。患者さまからの情報は治療方針を決める上でとても有用なものです。どのような些細なことでも担当医に伝えてください。

受診前に、具体的にどのタイミングで症状が出るのか、いつどのくらい長引いたのか、どうやったらよくなったかなど、症状の詳細をメモなどにまとめておくといいでしょう。

逆流性食道炎だと思っていても、症状を伝えることで他の病気が発見されるケースもあります。つまり、問診で医師に伝えることはとても重要なことなのです。

5. まとめ

シンプルな和食

逆流性食道炎の薬物療法においては、治療薬の選択と服用の仕方が重要であることが理解できたと思います。

薬物療法で逆流性食道炎の症状は改善しますが、原因を見つけ出さなければ根治はしません。逆流性食道炎で症状がある場合の第一選択は、食事療法です。それに伴い理学療法が取り入れられます。食事療法と理学療法だけで、症状が緩和されるケースもあります。

薬物療法の中でもオンデマンド療法は、比較的新しい治療方法です。オンデマンド療法は、将来的に薬の服用がなくても症状を抑えることが目的になるため生活習慣や食生活の見直しは必須です。

逆流性食道炎の症状を緩和させるためにも、薬の服用の仕方を理解しておくことをおすすめします。

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