gototop

おすすめ内視鏡豆知識

Endoscopist Doctor's Knowledge

メインビジュアル

PET検査は「がん」を早期で見つけるための「がん検診」には適していないことをご存じですか?

  • がん

PET検査について

「小さながんでも発見できる」とすすめられ、PET検査を受けていませんか?この動画では、PET検査の特徴やメリット、デメリットなどを解説しています。PET検査のことをよく理解してから、検査を受けるようにしましょう。

PET検査についてのイメージ画像

がん細胞はブドウ糖を栄養素として成長するため、通常の細胞と比較して 約3~10倍 ものブドウ糖を消費すると言われています。最近、PET(ペット)検査という言葉を耳にすることもあると思いますが、このPET検査はがん細胞がブドウ糖を多く消費するという性質を利用して、ブドウ糖に近い成分の薬剤であるFDGと 呼ばれる放射性物質を体内に静脈注射することにより、その放射性物質の「がん」への集まりを画像として見るという検査になります。PETとはポジトロン・エミッション・トモグラフィー(Positron Emission Tomography)の略であり、日本語に訳すと陽電子放射断層撮影となり、FDGと呼ばれる放射性物質を体内に静脈注射することにより、その放射性物質がどのくらいがん細胞に集まっているかを数値化して、それを画像として表現するものです。

現在、「がん」を見つけるための主流となっているCT検査やMRI検査は、映し出された臓器の形態や病変の造形から「がん」を見つけ出しますが、PET検査はがん細胞のブドウ糖の取り込みやすさという性質を利用して「がん」を見つけ出す検査です。
もともと、PET検査は「がん」の転移を含めたがん病巣の広がりや「がん」の再発を見るための検査であり、大元の「がん」を見つけるためのものではありませんでしたが、がん検診と言う名の下に、マスコミがもてはやして報道したことや一部の検診クリニックの誇大広告によって、「全てのがんが見つかる」といったように大きく誤解れて広がっていったという実態があります。ブドウ糖の代謝が促進されている「再発がん」は数ミリの大きさでも捉えられること多いですが、ブドウ糖の取り込みが少ない早期がんは集積画像の判別がとても難しいと言われています。部位(臓器)によって、見つけやすい「がん」と、見つけにくい「がん」があり、これがPET検査の弱点と呼ばれる所以です。

国立がん研究センターのがん予防・検診研究センターがある年のがん検診でのPET検査陽性率の解析を行っており、1年間でがん総合検診を受けた約3千人中、約150人に「がん」が見つかり、そのうちPET検査で陽性となったのは15%に過ぎないというデータが発表されています。逆に言うと85%の「がん」がPET検査では発見することができないと言えます。同センター検診部長の医師が「PET検診の意義は小さいのではないか」ともコメントしていました。胃や食道・大腸などの消化管にできる「がん」は、粘膜表面に広がりながら成長していくのが特徴であり、これら消化管の「がん」においては、他の臓器に転移していないような早期の段階では3~4㎝もの大きさになっても、さほどブドウ糖などの栄養分を必要としないとされており、このような場合、内視鏡検査では簡単に発見できても、PET検査単独での検出は難しいと言われています。「数ミリでもがんが見つかる」といった誇大宣伝広告などもありますが、あくまで 「がん」の転移などの病変の広がりや「がん」の再発を見つけるということが検査の大きな目的であり、がん検診には不向きとされています。

PET検査装置は短寿命の放射性薬剤FDGを製造するサイクロトロンを併設すると約10億円台の初期投資がかかるとされており、PET装置メーカーやPET装置を取り扱う商社や薬剤メーカーなどがこぞって医療機関などに売り込んだことから、初期投資回収のために誇大広告をし、「全てのがんが見つかるがん検診」と言う名の下に大きく誤解されて広がっていったとも言われています。2004年の「FDG―PETがん検診ガイドライン」によると、「効果に関する誇張広告は慎むべき」とされており、例えば「数ミリのがんが発見されることがある」と宣伝する際には、逆に「数センチのがんでも発見されないことがある」と付記すべきだと警告しています。その3年後に出た改訂版(2007)でもやはり、「PET検査はがん検診においての有効性に関するエビデンス(科学的根拠)は不十分」と強調されていました。

PET検査の利点と欠点

PET検査には利点と欠点があります。利点としては、「がん」の転移や再発を早期で、より小さな病変で見つけることが可能という点です。欠点としては、食道や胃、大腸、肝臓などの早期がんの発見が難しい事や、放射性物質であるFDGが集まりやすい脳や肝臓、腎臓、膀胱などの「がん」が見つけにくい事や、血糖値が高い方は診断が難しいという点などが挙げられます。
早期の肺がんなどはFDGが、がん細胞に集まりにくいため胸部CTの方が発見しやすいとされており、早期の食道・胃・大腸がんなどもFDGが、がん細胞に集まりにくいために、内視鏡検査ではないと発見が難しいと言われており、長所と短所がはっきりしている検査だと言えます。最近ではPET検査と同時にCT検査を行うPET/CT検査が主流となっており、PETの弱点を補う工夫がされていますが、特に粘膜の微細な変化のみである早期の食道・胃・大腸がんはCT検査では発見することが難しいため、やはり早期発見、早期治療には内視鏡検査が大切となってきます。

まとめますと…

PET検査のメリット

1

「がん」の転移や再発を早期で、より小さな病変で見つけることが可能

2

PET画像にCT画像を組み合わせることにより、PET画像だけでは判断できないような「がん」の判定がCT画像がCT画像と重ね合わせることにより単独行動の検査より判定制度が高まるようになってきた

PET検査のメリットのイメージ画像

PET検査のデメリット

1

食道や胃、大腸、肝臓、肺などの早期がんの発見が難しい

2

放射能物質であるFDGがもともと集まりやすい脳や肝臓、腎臓、膀胱などの「がん」が見つけにくい

3

血糖値が高い方の診断が難しい

4

放射能物質を体内に入れるため、被爆という問題がでてくる

5

PET検査後、放射能が弱まるまで30分~1時間別室で待機しないといけない

3分でわかる!苦しくなく痛みに配慮した内視鏡検査(胃カメラ)の特徴

お電話からの予約はこちら

受付 9:00〜19:00(土日-16:00まで)

045-914-7666

WEBからのご予約

WEBからのご予約なら、時間を気にせず
24時間・365日、お気軽にご予約いただけます。

お電話からの予約はこちら

受付 9:00〜19:00(土日-16:00まで)

045-914-7666

WEBからのご予約

WEBからのご予約なら、時間を気にせず
24時間・365日、お気軽にご予約いただけます。