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胃がんって出血するの?症状と診断方法

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  • 胃内視鏡検査

みなさんの中には、「胃が痛い」「胃もたれが続く」「吐き気がする」など、胃の不快な症状に一度は悩まされた経験がある方もいるのではないでしょうか?胃の不快な症状が続くと、胃がんや胃潰瘍になったのではないかと心配になり、医療機関を受診したり、市販薬を服用したりする方も多いと思います。 

胃がんはがんの中でも罹患率が高く、初期の場合は自覚症状がほぼないので、発見が遅れてしまうケースも多くあります。胃がんといえば吐血するといったイメージがあるかもしれませんが、必ずしも大量の出血を伴うとは限りません。 大量に出血することはまれです。

胃がんの早期発見・早期治療のためには、定期的に胃カメラ検査を受けることが大切です。胃カメラ検査は、医師が胃に内視鏡を挿入し、直接目で病変を確認できます。そのため、胃がんの診断にはとても大切な検査といえるでしょう。 

この記事では、胃がんの症状と診断方法についてご紹介します。

1. 胃がんと慢性胃炎の違いとは?

胃が痛い男性

胃に不快な症状を引き起こす病気はさまざまありますが、代表的な胃の疾患といえば、胃がんや胃炎です。胃炎は罹患している方が比較的多く、胃がんと症状も似ている病気です。

1-1. 胃がんとは?

胃がんとは、なんらかの原因で胃の内側の粘膜ががん細胞となる病気です。胃がんは、血液やリンパ液にがん細胞が流れ、胃から離れた臓器にも転移する恐れがあります。胃がんの原因はさまざまですが、ヘリコバクターピロリ、通称「ピロリ菌」の感染が大きな原因となっています。 

胃がんは、初期段階では自覚症状がほぼありませんが、進行して現れる代表的な症状は、胃痛や不快感・胸やけ・吐き気・違和感・食欲不振などです。また、胃から出血が見られる場合は、貧血や黒い便などの症状が現れます。

1-2. 胃炎とは?

胃炎とは、胃の内側の壁に炎症が起こる病気です。主な症状は、胃もたれや吐き気・胃痛・膨満感など、胃がんの症状と似ています。

急性胃炎の原因はストレスや痛み止めの使用などです。慢性胃炎の原因は、かつては加齢と考えられていましたが、ピロリ菌が発見されてからは、慢性胃炎の大半がこのピロリ菌が原因と考えられています。

2. 胃カメラ検査でわかる胃がんの特徴

胃カメラ

胃がんをはじめとする胃の病気の発見に有効なのが、胃カメラ検査です。胃カメラは医師の目視によって、胃がんの疑いがあるかどうか診断されます。目でわかる胃がんの特徴は2つあります。

2-1. 胃粘膜の色の変化

早期の胃がんは、胃潰瘍と区別しにくいものが多くありますが、胃がんの場合は色に特徴があります。胃がんが疑われる粘膜は、周りの粘膜よりも赤くなったり白くなったりしています。それ以外にも白色の付着物があったり、粘膜が黄色になっているケースもあるのです。

胃粘膜の色の変化
*わずかに周囲の正常粘膜より赤くなっている胃がん
胃粘膜の色の変化
*わずかに周囲の正常粘膜より白くなっている早期胃がん

2-2. 出血

胃がんの大きな特徴は、組織がもろくなり出血しやすいことです。粘膜から出血している場合は、細心の注意をはらって検査を行う必要があります。粘膜からの出血がかなり多いケースは、比較的病変の確認は容易です。 

しかし、出血がごく少量のケースでは、胃がんであると明確な判断は難しいのが現状です。このように胃がんかどうか迷うケースで行われるのが、「色素散布コントラスト法」です。 

色素散布コントラスト法とは、胃がんの早期発見に効果的な検査方法の一つです。胃カメラ検査中に胃がんと疑われるような病変が見つかった場合に、「インジゴカルミン」という青い色素を散布して、粘膜のわずかな凹凸を確認します。 

胃がんにはインジゴカルミンをはじきやすいという特徴があるため、散布して数分経過すると粘膜の凹凸がはっきりします。 

インジゴカルミンは、体に害はなく副作用などの心配もありません。

粘膜から出血している胃
*胃の一部に黒い出血があります。
色素散布コントラスト法
*インジゴカルミンを散布した直後の内視鏡画像です。少しへこんだ不整な領域を認めます。
色素散布コントラスト法
*少し時間を置くとコントラストがはっきりして「がん」がわかりやすくなりました。

3. 胃がんと出血の関係性とその症状

体調不良の男性

初期の胃がんの場合、自覚症状はほぼありません。また進行した胃がんの場合も、症状がほとんどなく、気づいたときには進行していたということもあります。

しかし、がんができた場所によっては自覚症状が出ます。胃がんと出血の関係性とその症状について、詳しくご紹介します。

3-1. タール便 、黒色便

胃の中で大量の出血があると、便が黒くなる「タール便、黒色便」が続くようになります。胃は大腸まで距離があるため、胃の中で出血があると血液中のヘモグロビンが酸化し黒くなり、結果、便も黒くなるのです。 

便に鮮やかな赤色の血液が付着している場合は、胃からの出血ではなく、肛門や肛門に近い大腸からの出血と考えられるでしょう。

3-2. 慢性的な倦怠感と疲労感

進行した胃がんの場合、さまざまな全身症状が現れるケースがあります。倦怠感や疲労感は、胃がんの病変から出血していることが原因です。長期的に出血が続くと貧血となり、体への負担が大きくなり、慢性的に倦怠感や疲労感が起こります。

3-3. 吐血や貧血

胃の中で出血していると、吐血するケースもあります。吐血とは、口から血を吐くことですが、真っ赤な血というよりは、コーヒーのような色の血を吐く場合が多いといえます。 

また、健康診断などの血液検査で貧血を指摘され、精密検査を受けた結果、胃がんが発見されるケースもあります。出血が続くと貧血を引き起こすだけではなく、血圧が低下する恐れもあります。 

胃がんだけではなく胃潰瘍でも出血することはありますが、大量の出血を伴う場合は、重症の病気が隠れている恐れがあるため、早めに医療機関で胃カメラ検査を受けましょう。 

胃潰瘍からの出血
*黒色便があり、緊急で胃カメラ検査を行うと胃潰瘍から出血がありました。
胃潰瘍からの出血を止血
*クリップで止血しました。
胃がんの内視鏡画像
*進行胃がんの内視鏡画像です。この患者さんは黒色便も貧血もありませんでした。

4. 胃がんを早期発見する必要性

医師の診察

胃がんだけではなく、がん予防は大きく3つに分けられます。一つ目は、がんにならないように生活習慣や食生活に気をつけ、改善をする「一次予防」です。二つ目はがんを早期発見・早期治療し、がんの死亡リスクを減らすのを目的とした「二次予防」、三つ目はがんの進行や再発、重症化を予防する「三次予防」です。 

胃がん検診は二次予防にあたります。胃がんは目視で確認できる固形腫瘍なので、定期的に胃カメラ検査を受けていれば、早期発見できる可能性が高くなります。

4-1. 胃カメラ検査をすすめる理由

胃がんの検査は、「胃透視検査」と「胃カメラ検査」がありますが、胃透視検査で要精密検査になると胃カメラ検査が必要です。そのため、健診で胃透視検査と胃カメラ検査を選べるなら、胃カメラ検査をおすすめします。 

また胃カメラ検査では、胃がんの原因である「ピロリ菌」の感染の有無を確認できます。ピロリ菌の正式名称は、「ヘリコバクター・ピロリ」で、胃に炎症や潰瘍を起こす細菌です。 

ピロリ菌の感染は、胃がんのリスクを高めるので、胃カメラ検査でピロリ菌の感染が判明した場合は、除菌治療が必要です。ピロリ菌を除菌すれば、胃がんのリスクは軽減しますが、胃がんにならないわけではありません。 

ピロリ菌を除菌したあとも、定期的に胃カメラ検査を受けるようにしましょう。

4-2. ステージによって生存率は異なる

胃がんのステージは、大きく4つに分けられています。ステージ1~4まであり、数字が大きくなるにつれ、進行している状態です。またステージによって生存率が異なり、胃がんと診断されてからの5年後に生存している人の割合を示した「5年生存率」が一つの指標となっています。 

がん研究振興財団が発表した「がんの統計2022」によると2011年~2013年を対象とした胃がんの5年実測生存率は、以下のとおりです。 

・ステージ1:88.9% 
・ステージ2:60.5% 

・ステージ3:42.8% 
・ステージ4:5.7% 

ステージ1で行われる治療は、内視鏡治療や手術です。内視鏡治療ができるのは、リンパ節への転移が認められないケースです。早い段階で治療を開始できると、治療による体の負担も軽減できます。 

ステージによって生存率は異なりますが、注意しなければいけないことがあります。ステージ1で治療を開始できた方でも、5年後に亡くなっている方も実際には存在します。また、ステージ4の方であっても、5年後も生存している方もいます。 

もちろん、胃がんの早期発見は大切です。

5. まとめ

検診イメージ

胃がんは、初期段階では自覚症状がほぼありません。また進行しても症状がないケースもあるため、発見が遅れてしまうリスクが高いがんといえるでしょう。胃がんになると必ずしも出血するとは限りませんが、組織がもろくなり出血しやすいのが胃がんの特徴です。 

胃がんは治らない病気ではありません。早期発見・早期治療を行うことで、胃がんを克服することも可能です。そのためには、定期的に胃カメラ検査を受けるようにしましょう。 

胃カメラ検査はつらい検査と思われがちですが、医療機関によっては苦痛を軽減できるような配慮がされています。 

また、生活習慣や食生活を見直しながら、胃の不快な症状がある場合は、早めに医療機関を受診しましょう。 

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